返済不要の
奨学金

高校生に月1万円を支給!コープさっぽろの「育英奨学金」

▼ 目次

進学して学びたいことがあったり、将来の夢を持っていたりするのに、それをお金の問題で諦めるようなことはしたくないですよね。

そんな時に支援してくれる制度に「奨学金」があります。奨学金とは、学生に対して学費や生活費を貸したり与えたりして支援する制度。日本ではさまざまな奨学金制度があり、コープさっぽろでも、ひとり親家庭や特別支援学校に通う高校生を対象にした返済不要の奨学金制度があります。

一人で悩まないで!ひとり親家庭をサポートする制度を知ろう

近年、日本で課題となっているのが、経済的困窮が引き起こす教育格差
日本に暮らすひとり親家庭の子どもの貧困率は、2022年の調査では44.5%(※1)と、半数近い世帯が貧困状態に。経済的な困窮によって希望する教育を受けられないと、進学や就職などさまざまなチャンスに恵まれないという貧困の連鎖が生じてしまいます。

また、北海道の調査(※2)によると、ひとり親家庭が子どものことで悩んでいることとして、約40%が「子どもの学習や進路」について悩んでいるという結果も。次に多い「子どもの発達やしつけ」が約20%なことからも、教育に関する悩みが大きいということがわかりますね。

お金によって「学びたいのに学べない」という状況は、子ども自身はもちろん、その親にとっても辛いものです。文部科学省の調査(※3)では、学習費の総額は公立高校で51万2,971円、私立高校で105万4,444円。どちらも入学金や授業料、学校納付金以外に、文房具などの学用品や部活動などの教科外活動費、通学交通費など、さまざまな費用がかかります。

でも、「お金がかかるから高校に行くのは難しいかもしれない」と、決して不安に思わないでほしいのです。同じ悩みを持ち、困っている方はたくさんいます。日本には、経済的に困っている子どもたちを支援するさまざまなサポート体制があります。決して一人で抱え込まずに、活用できる取り組みなどをぜひ探してみてください。

ひとり親家庭を支援する制度として、コープさっぽろ社会福祉基金の「育英奨学金」もその一つです。月額1万円を高校3年間、合計36万円を給付する奨学金で、返済は不要!勉強で使用する文房具や、部活動の遠征費、通学時の交通費など、さまざまなものに使うことができますよ。

<参考>
※1 こども家庭庁「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援の現状について」
※2 2022年 北海道 ひとり親家庭生活実態調査 報告書
※3 文部科学省「令和3年度子供の学習費調査の結果」

育英奨学金の担当者にインタビュー

公益財団法人コープさっぽろ社会福祉基金や育英奨学金について、事務局長の野末さんにお話を聞きました!

プロフィール

野末 昭宏(のずえ・あきひろ)さん

生活協同組合コープさっぽろ
組織本部 社会福祉基金 事務局長
兼 公益財団法人コープさっぽろ社会福祉基金 専務理事・事務局長

野末 昭宏(のずえ・あきひろ)さん

生活協同組合コープさっぽろ
組織本部 社会福祉基金 事務局長
兼 公益財団法人コープさっぽろ社会福祉基金 専務理事・事務局長

1985年にコープさっぽろへ入協、2023年4月より現職。
趣味は鉄道時刻表を読むこと、YouTubeで電車の走行シーンなどを観ること。

コープさっぽろ社会福祉基金ってなに?

―――コープさっぽろ社会福祉基金について教えてください。

公益財団法人コープさっぽろ社会福祉基金は、コープさっぽろの福祉・助け合い活動を土台に、1989年に発足しました。主に、
①奨学金支給事業
②地域福祉活動助成事業
③社会福祉に関する調査・研究・啓発事業
の3つの事業を行っています。

「①奨学金支給事業」は高校生への育英奨学金の給付です(こちらはのちほど詳しく解説!)。
「②地域福祉活動助成事業」は、地域活動支援センターなど地域で障がい者を支援する団体や、子育て支援など福祉ボランティア活動を行う団体など、福祉活動をしている団体への助成などを行っています。
そして、「③社会福祉に関する調査・研究・啓発事業」は、「ふくし基金だより」と「トドックふくし基金サポーター通信」の発行や、奨学金・社会福祉・助け合いなどをテーマにした講演会の開催など。コープさっぽろ社会福祉基金の事業は、個人・法人の賛助会費(事業に賛同して支援する会員による会費)と個人・法人の寄付でまかなわれています。そのため、社会福祉基金や社会について考えたり知ったりしていただけるよう、さまざまな啓蒙事業を行っています。

―――だれでも寄付ができるのですか?

可能です。例えば「トドックふくし基金サポーター制度」というものがあります。これは、コープさっぽろの宅配トドックを利用する方が1口100円単位(最大99口)で月1回募金できるという制度です。宅配トドックの注文用紙やトドックアプリで宅配トドックの注文を行う際に、注文番号「53449」を記入・入力していただくと、募金していただけます。なお、1回登録すると中止するまで毎月継続されます。

高校生への育英奨学金

―――高校生を対象とした育英奨学金はどのような奨学金ですか?

育英奨学金の対象となるのは、
①北海道内にお住まいのひとり親家庭(または両親がいない方)で、道内の高等学校・高等専門学校などに在籍する高校生
②特別支援教育の聾・盲・高等養護学校に在籍する高校生
です。

月額1万円を3年間給付する、返済不要の奨学金です。給付は毎月ではなく、3カ月分(3万円)を年4回に分けて給付し、高校3年間で合計36万円となります。これまでの35年間で、4,099名の奨学生に合計5億3,905万円の給付を行ってきました。

―――奨学生の方は、奨学金をどんなことに使っていますか?

使い方に特に決まりはありません。みなさん、通学定期代や学費、部活費など学校にまつわる費用や、生活費などに使われているようです。

―――選考はどのように行われますか?

ひとり親家庭の学生さんは一般公募で、特別支援学校の学生さんは学校推薦でエントリーできます。毎年中学3年生の3月に募集を開始し、4月に選考、5月末に1回目の奨学金を給付しています。奨学生の人数はその年により異なりますが、2024年度は710名の奨学生が在席し、年間8,520万円の給付の予定です。
ひとり親家庭の一般公募は、申請書や世帯収入を証明する書類などのほかに、中学校で作成していただく個人調査書なども必要となります。この育英奨学金は、経済的に困窮している中でも、高校に入学後も勉学には励んでいただきたいという思いがあるので、選考委員が世帯収入や学習意欲、学業成績などを総合的に判断して選考し、奨学生を決定していますよ。

―――不登校生枠もあるんですね!

2014年度からは、一般公募の中に不登校生枠を設けています。選考では出席日数や成績なども確認しますが、不登校の学生さんは成績などで判断できないケースもあるので、別で不登校生枠を設けて選考しているんです。
最近は、アルバイトをしながら通信制高校に通う奨学生の方も増えています。勉学に励みたいけれど将来の目標に向けて自分の時間を確保したい学生さんや、ご家族の介護を行うヤングケアラーの学生さんなど、さまざまな状況の学生さんに寄り添えるよう、育英奨学金の制度も時代とともに変えていく必要があると考えています。

インタビューを終えて

「大人になったら○○になりたい!」「大学に進学して学びたい!」など、たくさんの夢を抱えている高校生のみなさん。ひとり親家庭など経済的に不安を抱えている方の中には、「諦めなくてはいけない」と思っている方もいるかもしれません。

そんな時は、活用できる制度がないか、ぜひチェックしてみてください。奨学金は返済が必要なものも多いですが、今回ご紹介した育英奨学金のほか、コープさっぽろでは大学生を対象にした大学生育英奨学金もあり、どちらも返済不要の給付型奨学金となっています。

学びたいという意欲のある学生さんをサポートする制度があることを、この記事を通して知ってもらえたらうれしいです!

〈関連リンク〉
▼公益財団法人コープさっぽろ社会福祉基金
https://sites.google.com/csap-f-kikin.org/home/home
▼コープさっぽろ社会福祉基金の奨学金事業
https://sites.google.com/csap-f-kikin.org/home/home/03
▼コープさっぽろの「奨学金」を知っていますか?
https://coopcycle.sapporo.coop/media/teaching/teaching_511/

北海道で生きることを、誇りと喜びに

コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。
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