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障がい者雇用率は約8%!コープさっぽろの障がい者雇用を調査してみた

▼ 目次

みなさんは「障がい者雇用」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
障がい者雇用とは、障がいのある人が一人ひとりの特性に合わせた働き方ができるよう、企業や自治体などが、通常の雇用とは別に障がいのある人を雇用すること。
国では企業に対して雇用する労働者の2.5%(法定雇用率)に相当する障がい者を雇用することを義務付けています。

障害者等が希望や能力、適性を十分に活かし、障害の特性等に応じて活躍することが普通の社会、障害者と共に働くことが当たり前の社会を目指し、障害者雇用対策を進めています。
参考:厚生労働省「障害者雇用対策」

ここでいう障がい者とは、身体や知的、精神、発達障がいなどがあることで、長期にわたって職業生活に相当の制限を受けている方や、職業生活を営むのが著しく困難な方をいいます。

そんな中、コープさっぽろの障がい者雇用率は、なんと7.8%(2024年6月時点)!「これは、働きやすさとか環境とか、何かコープさっぽろならではの取り組みがあるのでは!?」と思ったコープサイクル編集部は、実際に働く方や人事部の方にお話を聞いてきました!

コープさっぽろの障がい者雇用

2024年4月の法定雇用率は2.5%であるのに対し、コープさっぽろの障がい者雇用率は7.8%と、なんと法定雇用率の3倍以上!815名の方が働いています。(2024年6月時点)

「え、どうしてそんなに雇用率が高いの?」って思いましたよね?私も思いました。これには、コープさっぽろならではの環境や働く場所の整備などが関係しているそう。

一般的な企業では、障がい者の雇用率を上げるために、障がい者の雇用において特別の配慮をする「特例子会社」をつくり、そこで障がい者の方をまとめて雇用するケースが多いです。
しかし、コープさっぽろが障がい者雇用率の向上の先に目指すのは、単に数値ではなく、一人ひとりの働きたいという思いを仕事につなげるという社会貢献。そのためには、障がい者の方を一つの場所で雇用するのではなく、慣れ親しんだ地域で暮らして働きたいと思っている障がい者の方が、その地域で働ける環境を提供する必要があると考えたのだそうです。

コープさっぽろには、店舗や宅配センター、物流センター、食品工場など、全道にさまざまな働く環境があります。それを生かして、障がいのある方がそれぞれの希望や特性などにあわせて働けるよう、コープさっぽろ全体で働ける環境を整えているんです。なるほど~、それなら安心して働けそうですね!

ちなみに、コープさっぽろのグループには、障がい者就労継続支援A型事業「コープ・パートナーズ」があります。コープ・パートナーズは、働きたいと思っている障がい者の方が就労できるよう、就労に必要な知識や能力などを訓練・支援する障がい福祉サービスの会社。就労先はコープさっぽろの関連会社だけではなく、さまざまな企業のお仕事を紹介しているそう!障がいがある方が希望に沿って働けるよう、コープさっぽろ全体で取り組んでいるんですね。

▼コープ・パートナーズについてはこちら
https://csap-partners.com

コープさっぽろ なかのしま店の高松さんにインタビュー

コープさっぽろの障がい者雇用についてもっと深く知るために、実際に働いている方にインタビューをしました。高松さん、お話を聞かせてくださーい!

プロフィール

高松 学(たかまつ・まなぶ)さん

生活協同組合コープさっぽろ
なかのしま店 食品部門

高松 学(たかまつ・まなぶ)さん

生活協同組合コープさっぽろ
なかのしま店 食品部門

2021年4月にコープさっぽろへ入協。
食品部門で冷凍食品とアイスを担当している。

―――コープさっぽろで働き始めたきっかけは?

コープさっぽろに入協する前は、就労移行支援事業所(障がいのある方や難病の方の就職・復職を支援するサービス)に3年ほど通所していました。就職活動をしていく中で、最初は事務職を希望していたのですが、年齢のことなどもあって書類選考すら通らない状況で…。
そんな時に、就労移行支援事業所の指導員の方からスーパーの仕事に興味はないかというお話をいただいたんです。接客業経験があったこともあり、スーパーの業務に興味を持ちまして、いろいろと自分で調べていた際にコープさっぽろの障がい者雇用を知りました。

まずはコープさっぽろの店舗を数店舗見学し、今働いているなかのしま店で仕事体験をさせていただいて。ここならのびのび働けそうだなと思って、入協を決めました。
最初はどこに何の商品があるのかなかなか覚えられなくて、何回も上司や先輩に聞きましたね。組合員さんから売り場を聞かれても答えられなくて、へこんでばかりで。でも、月を重ねるごとに少しずつ覚えていって、組合員さんにご案内もできるようになり、自信を持って働けるようになりました

高松さんが勤めるコープさっぽろなかのしま店。

―――普段はどんなお仕事をしていますか?

私は食品部門の冷凍食品とアイスを担当しています。発注業務や品出し、セール・タイムサービスの準備、学生アルバイトの方への作業指示など、仕事内容は多岐にわたります。入協から1年ほどで担当を持たせていただいて、最初は先輩がついてくださって一緒に仕事をしていたのですが、今は一人で担当しています。

組合員さんが商品を手に取りやすいように行う商品の前出し作業も、仕事の一つ。

―――コープさっぽろの障がい者雇用制度について、どう思いますか?


コープさっぽろでは障がいのある職員をサポートするジョブコーチという職員がいて、いろいろな場面でサポートしていただいています。私は忘れやすいという特性があるのですが、自分の特性を知っている人が一人でも多くいるのは安心できますね。ジョブコーチが店舗のスタッフや店長に自分の特性などをしっかり伝えてくれるので、みなさんに理解していただきながら働けています。
そして、コープさっぽろは本当に人が温かいです。間違えたり失敗したりした時には、「原因は何なのか」「じゃあ次はどうすればいいのか」というのを一緒に考えてくれて。日々、たくさんの方に支えてもらいながら働いています。年月が経つとともに任せていただく仕事も多くなり、一つひとつ責任感を持ってこれからも働いていきたいです。

―――入協を検討している方にメッセージをお願いします!

朝起きるのがネックな方は午後から働くことも可能ですし、私のように記憶力に自信がない方も周囲が手厚くサポートしてくれるので、心配せずに入協を検討してみてください。それぞれ特性や苦手なことがあると思うんですが、そこはあまり気にしなくていいと思います。気にしないことで、いろいろなものに興味を持てて、仕事の幅も広がると思いますよ。

覆面調査で応対がよかった職員として高松さんが選ばれた!

実は今回の取材を行う数日前に、なかのしま店の覆面調査(※)の報告書が届いたということで、見せていただきました。すると…なんと!売り場スタッフの挨拶や接遇、レジの応対などさまざまな項目がある中で、昼夜ともに総合得点率100%を獲得したのです!(拍手〜!!!)

その中で応対がよかったスタッフについても報告があったのですが、高松さんは昼も夜も対応のよさを評価されたそう。高松さんの心温まる接客は、職員の中でも注目されています。高松さん、そしてなかのしま店のみなさん、本当におめでとうございます!

※覆面調査:一般客と同じ目線に立った調査員が、来店客として店舗を訪問して、接客態度や商品などの実態を評価する調査のこと。

人事部 道見さんにインタビュー

高松さんのジョブコーチをされている人事部の道見さんにも、コープさっぽろの障がい者雇用についてお話を聞きしました!

プロフィール

道見 和也(どうみ・かずや)さん

生活協同組合コープさっぽろ
人事部 障がい者雇用担当

道見 和也(どうみ・かずや)さん

生活協同組合コープさっぽろ
人事部 障がい者雇用担当

2022年12月にコープさっぽろへ入協。
ジョブコーチとして、コープさっぽろで働く障がいを持つ方の支援などを行う。

―――ジョブコーチの業務について教えてください。
コープさっぽろでは障がい者の方が安心して働けるように、ジョブコーチ制度というものがあります。コープさっぽろで働く方それぞれに担当のジョブコーチがつき、入協時の対応から業務のサポートなどを行います。業務に不安があったり慣れていなかったりする職員には、私が一緒に作業をして教えることもありますよ。

また、定期的に面談を行って、最近の様子や体調面、困っていることなどをヒアリングしています。障がいのある方も周りの従業員も、みんなが働きやすい環境になるように、双方のコミュニケーションの橋渡しや障がい者への理解促進など行うのも、ジョブコーチの仕事です。

―――ほかにも、コープさっぽろならではの障がい者雇用の支援制度はありますか?
コープさっぽろでは店舗や宅配センター、食品工場、物流センターなど、さまざまな働ける環境があります。そのため、入協を希望する方には、まずは体験として希望する業務の実習を行っていただいています。これは、実際の作業や現場の雰囲気などを見ていただいて、お互いのミスマッチを防ぐために設けているものです。

ジョブコーチは実習からサポートさせていただき、ご家族や支援機関、学校など各方面をつないだり調整したりと、しっかり支援しますので、安心して入協していただきたいですね。入協時にはその方の希望や得意分野なども配慮して、配属先を決定しています。

あと、一般雇用の方と同じく評価制度もあり、業務遂行力やコミュニケーション力、勤務態度、安定した勤怠などを正当に評価し、昇給やキャリアアップができる仕組みになっています。働いている方のモチベーションの一つにもなっていると思いますね。(横で大きくうなずく高松さん・笑)

ほかにも、支援機関と連携をとりながら定着支援の構築を行っています。働く本人も私たちも相互に安心できる関係を構築するには、本人が周りと一緒に考えながら取り組める環境が大切だと思うんです。

―――高松さんの仕事ぶりはいかがですか?
組合員さんに対しての丁寧な対応は、後輩の障がい者雇用の方々だけではなく、お店全体の見本になっていると思います。高松さんはこれまでたくさんの課題にぶつかってきたと思うのですが、課題の一つひとつと向き合って克服してきたことや、できることを少しずつ増やしていったこと、そして成功体験を積み重ねることができたのは、高松さんの努力がつながっているのだと思います。

あと、高松さんだから障がいを持っている方の視点に立って教えられることや伝えられることがあると思うんです。今後は障がい者雇用の方が障がい者雇用をサポートするといった役割も必要になってくると思うので、そのような取り組みにも協力していただけたらうれしいです。

インタビューを終えて

高松さんと道見さんのインタビューを通して感じたのは、お互いが信頼しているということ。高松さんはコープさっぽろに入協する前は、お仕事で悩むことも多かったそうなのですが、コープさっぽろでは、とにかく人の温かさに助けられているとお話されていました。

誰もが自分らしく働ける社会を目指すためには、一人ひとりが仕事に楽しみややりがいを見つけること、そして、充実感を感じて笑顔になれることが大切なのかもしれません。苦手なことや特性を持っている方もみんなが一緒になって働くことが、当たり前の世の中になる。そうすれば、きっと北海道が、そして日本全体が、もっと豊かに暮らせるようになるのではないかと思うのです。

〈関連リンク〉
▼コープ・パートナーズ
https://csap-partners.com

▼YouTube:人と人をつなぐ「コープさっぽろ 障がい者雇用」
https://www.youtube.com/watch?v=ar9SmGIc9MI

 

北海道で生きることを、誇りと喜びに

コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。
組合員への加入はこちらから

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