2月に入り、大学や専門学校への進学を控える皆さんは、だんだんと卒業のときが近づいてきましたね。そんな方たちに向けてこの記事では、コープさっぽろ職員さんへのインタビューを通して、「奨学金」や「アルバイト」のことについてお伝えします。お話の前にまずは、そもそも奨学金ってどんなものだっけ?というところから簡単にご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください!
奨学金にはいろいろな種類がある?
大学や専門学校に進学するためには、たくさんの学費が必要になりますよね。「お金の工面が難しい」「親に負担をかけられない」と、経済的な理由で進学を迷う人もいるでしょう。そんなとき助けになるのが「奨学金」の制度です。
決められた条件を満たせば利用することができ、現在では大学生の半数ほどが奨学金を利用していると言われています。これから進学を控える学生さんの中には、奨学金の利用を検討している人も多いかも知れません。ですがこの奨学金には、様々な種類があるのをご存知でしょうか?
奨学金を大きく分類すると、「貸与型」と「給付型」の2つに分けることができます。貸与型とはお金を借りる形のもので、卒業後に返済する必要があります。給付型はお金が付与されるので、返済する必要はありません。その代わりに給付型は採用人数が少ないなど、ハードルが高い傾向があります。
また、貸与型の中でも無利子の奨学金と、利子が発生する奨学金があります(日本学生支援機構JASSOでは無利子を「第一種奨学金」、有利子を「第二種奨学金」としています)。こちらも採用に関する条件などに違いがあることが多いです。そのほか申込む時期による違い(進学前に手続きが必要なものと、在学中でも手続きができるもの)や、卒業後の返済方法による違い(毎月定額を支払うものと、収入などにより額が変動するもの)など、奨学金にはさまざまな種類があります。
奨学金の種類は、ご自身の状況や進学にあたって必要な費用(授業料、交通費、生活費等)などに応じて、適切なものを選んでいく必要があります。また卒業後に返済が難しくなってしまう方もいるため、資金面の計画も事前に立てていかなければなりません。
実はこうした返済に苦しむ人たちが増えていることを受け、コープさっぽろでも「給付型」の奨学金制度を設けています。これから利用を検討されている人にとっては役立つ情報になるかも知れないので、ぜひ参考にしてみてください。
コープさっぽろの奨学金とは?
学生の皆さんが利用できる、コープさっぽろの奨学金についてご紹介します。
コープさっぽろ大学生育英奨学金
- 返済のいらない「給付型」の奨学金
- 年間25万円、最大で4年間100万円を給付
- コープさっぽろの店舗・工場などでのアルバイト就労が条件
- 対象:大学(短大、大学院を含む)に就学か進学予定、または高等専門学校の4・5年生で就学している方
※詳細はこちらをご覧ください(コープさっぽろ大学生育英奨学金について)
大学・短大・大学院など、高等教育を希望する子どもたちの学資金支援の一助として創設された制度です。給付型の奨学金となっていますが、特徴的なのは「コープさっぽろの店舗、工場などの事業所でのアルバイト就労」が条件となっていること。
アルバイトができない方は利用できませんが、アルバイト先も合わせて探そうとしている方にとっては、うれしい制度ではないでしょうか。これまで多くの学生に利用されており、2018年から2023年までの累計受給者数は1500人以上、支援総額は3億円以上となっています。
この奨学金についてより詳しくお伝えするため、実際に利用された方にお話をうかがいました。奨学金を利用するまでの流れや、アルバイトの仕事についてお話いただいたので、ぜひこちらもご覧ください!
奨学金を利用した職員にインタビュー!
山本耕己(やまもと こうき)さん
生活協同組合コープさっぽろ サポート部
北海道札幌市出身。
札幌大谷大学 社会学部地域社会学科卒。
大学1年時からアルバイト就労を始め、
2021年4月にコープさっぽろへ入協。
―――早速ですが、コープさっぽろの奨学金はいつから利用されていたのですか?
大学入学時から卒業までの4年間、「コープさっぽろ大学生育英奨学金」を利用しました。また、その後新卒でコープさっぽろに職員として入協し、そこからは「奨学金返済支援制度」も利用しています。
※「奨学金返済支援制度」とは
大学・大学院からコープさっぽろに新卒入協される若手職員を対象に、入協3年目まで奨学金返済額の一部を補助する制度。毎月の奨学金返済額の50%をコープさっぽろが負担。本人負担は1万円を上限とし、超過分はコープさっぽろが負担します。新卒職員の約30%がこの制度を利用しています。
―――アルバイトの時だけでなく、職員になってからも支援があるのですね。「コープさっぽろ大学生育英奨学金」の制度はどのように知りましたか?
新聞に載っていた広告を、母が見つけてくれたのがきっかけです。大学に入ったらアルバイトをしようということと、大学が国公立ではないので奨学金を利用しなければということは元々考えていました。
コープさっぽろの奨学金は4年間で100万円もの給付があり、しかも返さなくていいというのがすごいと感じ、応募することに。別の貸与型の奨学金も利用しているのですが、この制度のおかげでそこまで金額を増やさなくても大学に通うことができました。
―――「コープさっぽろ大学生育英奨学金」の申込みの流れはどのようなものでしたか?
まずはアルバイトの応募から始まりました。募集店舗の一覧が採用ページに載っていたので、希望の店舗に連絡すると面接をすることに。採用が決まったその後に「職員番号」がもらえたので、それを使って奨学金もインターネットで申込みました。
アルバイトの採用が決まれば、奨学金はその時点で落ちるとかはなく、一年で決められた時間を働くことができれば3月に一括して支給されます。時間を満たすという目的に向かって毎月働けるので、年度の終わりには達成感がありました。
―――アルバイトを始めたときはどんなお気持ちでしたか?
はじめてのアルバイトだったので、とにかくやるしかないという気持ちでした。レジに立つのは緊張しましたが嫌な感情はなく、与えられた自分の仕事をしっかりこなそうと前向きに臨めました。
事前の研修を1〜2ヶ月かけてじっくり行い、自信を持てた状態で接客できたからかも知れません。周りの職員やアルバイト・パートの方の雰囲気も明るく、細かく教えてもらえて、間違いをしてしまったときも正直に「すみません」と言える環境だったことも大きいです。同じタイミングで、大学の同級生がアルバイトに入ってきたことも心強かったですね。
―――その後、コープさっぽろに入協しようと決めた理由は?
ここを選んだ一番の理由は、アルバイトで身に付いた4年間の知識や経験があるので、その経験を生かせると感じたからです。逆に職員に対しての奨学金支援制度があることは、入協時に研修を受けるまで知りませんでした。
私が就職活動をしていたのはコロナ禍が始まったばかりで、魅力を感じていた企業はどこも業績が落ちたり、採用を見送ったりしていた時期。その中でなお、コープさっぽろの業績は上がっていたので、安心感があったのもポイントの一つです。
そういった状況もあって周りの学生はすごく苦労していましたが、自分はほぼ一番乗りで就職活動を終えられ、残りの大学生活も余裕を持って過ごすことができました。もしアルバイトしていなかったら一切知らない企業から就職先を探さなければいけなかったので、大変だっただろうと思います。
―――コープさっぽろに対して、元々はどんな印象をお持ちでしたか?
自宅の近くにあったのが別のスーパーだったこともあり、実はアルバイトを始めるまでほとんど利用したことがありませんでした。「トドック」は実家で利用していたので知っていましたが、特にイメージがなかったので、働きながら理解していきました。「コープさっぽろ」という名前なので札幌だけだと思っていたら、釧路にも旭川にも函館にもある。「ぜんぜん札幌じゃないじゃん!」と思ってしまったくらいです(笑)。
働きながら得た知識や、研修を通してイメージはどんどん変わっていきました。入協後は配属が決まる前に一度全ての部門について学ぶのですが、実際に働いている方や店長のお話を聞くこともでき、多様な仕事について知ることができました。
―――仕事のやりがいや、大変なところについて教えてください
やはり一番うれしいのは、「ありがとう」「山本さん感じいいね」といったお声がけをいただくことです。組合員さんによって「こうしてほしい」という要望は異なるので、いかに要望をくみとって接客するかが大切です。それができるようになっていくと、お褒めの言葉をいただけることも増えてきました。
サポート部門はカウンターに立つので、組合員さんに一番見られる場所です。ですから他の部門へのご要望・クレームも、まず最初にお聞きすることになります。全体の窓口として適切な対応をしなければならないので、そこは大変なところかも知れません。
最初はお客さまへの対応に緊張することもありましたが、その点でも4年間のアルバイトでの経験は大きく、心に余裕を持った状態でスタートすることができました。
―――仕事をする上での、今後の目標は?
対応できる業務の幅を広げて、店長やマネージャーのように、周りの人にも的確な指示が出せるようになりたいです。10年・20年と働いている方たちは、周りからも「○○さんがやっていることなら大丈夫」「○○さんがそう言うなら大丈夫」と信頼を集めている。自分はまだその域に達していないので、もっと知識を身に付けて、「山本さんが言うなら大丈夫だね」と言ってもらえるようになりたいです。
職場の先輩から見た山本さん
山本さんのことについて、同じ店舗で働く先輩にもお話を聞きました。
山本さんはこの店舗に来て1年も立っていないのに、落ち着きがあって頼りになります。レジに入っているパートさんたちが、私たちより先に、山本さんを探して呼びに行くこともしばしば。信頼を集めている証拠だと思います。
物覚えも早く、数日前に教えたことも「やっておきました」と一人でできるようになっている。この調子でどんどん成長してもらえたらと思っています。山本さんがマネージャーになるまで私もがんばって一緒に働けたらうれしいですね。
「大学生育英奨学金」は応募受付中です!(※2023年度受付終了)
これを読んでいる方の中には、奨学金はもちろん、コープさっぽろのこともあまり知らないという方も多いと思います。それでも奨学金の利用条件に知識があるかどうかは関係なく、山本さんも同じような状況だったそうです。
これから新たな一歩を踏み出す皆さんにとって、この奨学金が役に立つ選択肢の一つになればと思いますので、ぜひ興味のある方はエントリーをご検討ください。詳細は以下の専用ページからご覧いただけます!
コープさっぽろ大学生育英奨学金について
- 受付期間:2023年1月11日(水)~2023年4月20日(木)まで
※選考は受付順に随時実施。各事業所募集定員に達し次第募集終了とします。 - エントリー方法:専用ページの「エントリーはこちら」ボタンから希望の募集事業所の求人の応募画面へ進み、必要情報を入力後送信してください。
※募集事業所ごとに求人を行っております。
※定員により求人終了した事業所は表示されません。 - 詳細は上記のページをご覧ください。お問い合わせもこちらから受け付けしています。
奨学金やコープさっぽろでのアルバイトについてもっと知りたいという方は、こちらの記事もおすすめです。
▼地域の「教育」を一緒に支えよう!
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_612/
▼学生バイトにコープがおすすめな理由って!?
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_594/
▼コープさっぽろの「奨学金」を知っていますか?
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_511/
公益財団法人コープさっぽろ社会福祉基金が行う「育英奨学金事業」についてはこちら。
▼育英奨学金事業(月次1万円の育英奨学金を支給)
https://www.sapporo.coop/content/?id=39