高校生が
商品を考案

静内農業高校×コープさっぽろの新商品開発コンペに潜入!

▼ 目次

コープさっぽろでは高校や大学と連携するなど、道内の学生さんと一緒にさまざまな取り組みを行っています。今回は、北海道静内農業高校の「静農コンソーシアム事業」の一環として、コープさっぽろと合同で開催した、新商品コンペ会の様子をご紹介。これは、静内農業高校の生徒さんがコープさっぽろで販売する新メニューを考案し、プレゼンテーションを行うというもの。
「高校の授業で新商品コンペ会って、どういうこと?」と思ったあなた!新たな学びの形に、きっと驚きますよ。

静農コンソーシアム事業とは?

静農コンソーシアム事業とは、北海道・新ひだか町にある「静内農業高校」が独自で行っている事業。

静内農業高校は、文部科学省が主導していた教育プログラム「マイスター・ハイスクール事業」(※)で、2021年より先進的な取り組みを行うマイスター・ハイスクールに指定されました。マイスター・ハイスクール事業では、「地域発次世代イノベーター人材の育成」をテーマとして、食品、園芸、馬事教育分野を中心に、専門家の講義や企業・団体の施設などを利用した実習などを実施。その「マイスター・ハイスクール事業」を自走化したのが、静農コンソーシアム事業なのです。

静内農業高校には商品開発や食品製造などを学ぶ「食品科学科」と、軽種馬や花き生産の一連の技術を学ぶ「生産科学科」があります。ちなみに、新ひだか町はサラブレットの町として有名ですが、サラブレッドを育成して馬についての専門的な知識や技術を学ぶこともできるんです!軽種馬生産を学べる数少ない学校として、全国から生徒が集まっているそう。

なお、静内農業高校は地元食材を生かしたオリジナル商品を開発・発表して競い合うコンテスト「第12回高校生チャレンジグルメコンテスト」で、チャレンジグルメ大賞(北海道知事賞)とHTB賞も受賞しています!

静農コンソーシアム事業では、専門の組織や企業とのつながりを通して、現場の声を聞きながら学ぶことを目的としています。学校での学びをもっと深めることで、企業や組織、そして世界を実際に知ることができるというものなのです。

コープさっぽろでは静農コンソーシアム事業の一環で、商品企画開発の基礎や価格設定の考え方についてや、コープさっぽろしずない店での商品の陳列方法や売り場レイアウト見学など、2024年は4回に渡って講義を行ってきました。今回は、今年度の講義の最後に行われた「新商品コンペ会」に潜入取材してきましたよ!

▼参考
※文部科学省「マイスター・ハイスクール」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shinkou/shinko/1366335_00001.htm

静農コンソーシアム事業「新商品コンペ会」に潜入

2024年12月に開催された新商品コンペ会では、これまでの学習の成果を新商品開発を通して発表。受賞した商品は、なんと全道のコープさっぽろで販売されるんです!

新商品コンペ会には、2〜3年生が5名程度のチームとなり、12商品を開発しました。コープさっぽろの商品本部・デリカ部の部長やバイヤー、開発マネージャー、石狩食品工場の開発統括と、静内農業高校の教頭先生が、審査員として審査します。

審査基準は、商品力・味・プレゼン力・商品企画力・原価の5つ。商品の見た目や味だけでなく、開発レシピのPR力や独自性、そして想定原価がコープさっぽろで販売するにあたって適した価格になっているのかも審査の対象となります。
私がこの審査基準を聞いて感じたのは、本格的…!ということ。ただおいしさだけを求めるのではなく、販売するにあたって提供しやすいレシピなのか、利益はどのくらい出るのかなど、店舗で販売することを想定した上で企画・開発しているのです。

今回の商品のテーマは、静内農業高校で作っている「うま味噌」や「日高昆布タレ」などの調味だれを使用すること。
それぞれのチームごとに、プレゼンと試食を行います。プレゼンは、通販番組風のユニークなものや動画を使ったものなど、商品の魅力を引き出すために工夫をこらしたものばかり。

  • 「子どもがいる家庭をターゲットに、疲れた日もこれ一つで晩ごはんが完結するボリュームたっぷりメニューを考案しました。」
  • 「鶏ひき肉を使って原価を抑えています。」
  • 「野菜がたっぷり入っているので健康志向の人も満足できる商品です。」
  • 「がっつりたべたい人におすすめです。」

など、商品を開発した経緯や味のポイント、原価を下げるための工夫などをプレゼンしていましたよ。

かぶりもので元気いっぱいに商品をアピール!

試食用に小分けした商品。

試食は審査員分を小分けにして用意。あたたかい状態で食べてもらえるように発泡スチロール箱に入れておいたり、食感が残るようにタレを直前にかけたりと、工夫をしていました。試食をする審査員の姿を見て、生徒のみなさんは少し緊張の面持ち…!自分たちで作ったものを食べて評価してもらうのって、ドキドキですよね。

プレゼンと試食のあとは、審査員からの質問と講評の時間。

  • 「おいしい!味のバランスが絶妙ですね。」
  • 「もう少し味にアクセントがあったほうが良いかもしれません。」
  • 「パプリカなど彩りを添えるともっと良いと思います。」

など、それぞれの商品に対してアドバイスなどもしていました。こうやって、学校外のプロの人から意見などをもらえることはなかなかないので、とても貴重な機会ですね!

審査の様子。審査員それぞれの目線で意見が飛び交います!

結果発表!

いよいよ、新商品コンペ会の結果発表の時間です。
結果はこちら…!

大賞:「ミソコロドリーム」
「うま味噌」使用のコロッケ風のアレンジが楽しい新感覚ドリア。

準大賞:「ジンギスカンのご褒美丼」
「日高味噌タレ」をベースにした、濃いめの味付けで食欲が進む丼。

審査員特別賞&デリカ部門賞:「ピリッ!!日高味噌ダレパワー!ドカーンと1発ジャージャー麺」
辛いもの好きにぴったりのたけのこたっぷりなジャージャー麺。

デリカ部門賞:「日高味噌ダレ香り唐揚げのり弁当」
子どもから大人まで大人気の唐揚げやコープさっぽろで人気の卵焼きが入った栄養満点ののり弁。

受賞の名前を呼ばれて満面の笑みを浮かべる生徒のみなさん。

大賞に輝いた「ミソコロドリーム」を開発した2年肉加工研究班のみなさん。

結果発表の際、コープさっぽろのデリカ部部長の岩本さんは、「どの商品も想像以上の完成度で、味もプレゼンの内容も昨年の新商品コンペ会を超えています。」とお話しされていました。

受賞したみなさん、本当におめでとうございます!
デリカ部門賞に輝いた「ピリッ!!日高味噌ダレパワー!ドカーンと1発ジャージャー麺」は全道のコープさっぽろ店舗で、「日高味噌ダレ香り唐揚げのり弁当」はコープさっぽろしずない店限定で、2月末ごろに限定販売予定です。ぜひ、コープさっぽろの店舗で手に取ってみてくださいね!

静内農業高校の先生&生徒さんにインタビュー

静内農業高校の田中彩佳先生と、新商品コンペ会で大賞を受賞した田中とわさんに、静農コンソーシアムやコープさっぽろの講義についてお話を聞きました。

プロフィール

静内農業高校

(左から)
田中彩佳(たなか・あやか)先生
食品科学科2年 田中とわ(たなか・とわ)さん

静内農業高校

(左から)
田中彩佳(たなか・あやか)先生
食品科学科2年 田中とわ(たなか・とわ)さん

―――大賞受賞、おめでとうございます!商品を企画する上で大変だったことはありますか?

とわさん

ありがとうございます。商品は10月後半くらいから企画をはじめました。私たちが好きな味ではなく、みんながおいしいと思ってくれる味にしたいと思い、色々な人に商品を食べてもらいました。みなさんの感想を聞いて、商品をブラッシュアップしていくのが大変でしたね。

―――コープさっぽろの講義の中で印象的だった講義はなんですか?

とわさん

実際にコープさっぽろの店舗の中を周って、ポップの配置方法や工夫しているところなどを見ながら教えていただいた講義がとてもためになりました。資料やスライドなどを使った説明よりも、どうしてそのような工夫をされているのかを理由とともに詳しく教えていただけて、とても印象に残っています。
ふだん、学校外の組織や企業の方と関わることはほぼないので、静農コンソーシアムを通して外部の方と直接会話することができたのは、とても貴重な経験でした。この経験を生かして、将来は接客業に就き、お客様の気持ちを1番に考えてサービスを提供できるようになりたいと思っています。

田中先生

これまで映像などでしか見たことがなかった店舗の裏側の部分などを実際に目にして学んだことで、今回の新商品コンペ会や校内での販売会などの際に、とてもアイデアが出るようになったと思います。
静農コンソーシアムやマイスター・ハイスクール事業を行う前は、実際に小売業経験のない教員では教えきれない部分がありました。でも、実際にコープさっぽろなど外部の方に講義をしていただくことで、生徒たちは視野を広く、そしてもっと深く教えることができるようになったと思います。

―――静農コンソーシアム事業で得た学びを、生徒のみなさんにどのように生かしてほしいですか?

田中先生

今、探究力がとても必要だといわれています。この学びは、基本を教えてもらうだけではなく、新商品コンペ会を行うことは、探究というところに付随して学びにつながっています。この探究という力は、将来どのような職業に就いたとしても、仕事や人間関係で必要になっていく力です。将来、社会に出たときにその力を発揮し、ゆくゆくはその組織や会社を担うような人材になってもらえたらうれしいですね。

おわりに

今回の取材を通して感じたのは、生徒のみなさんがとてもキラキラしていたこと。自分たちで企画したりプレゼンをしたりという、ふだんの授業ではなかなかできない経験の数々。これまで学校で受けていた授業の知識と、外部講師の講義で得た現場感覚と実践的な知識がつながり、さまざまな視点や価値観を得ることができたのではないでしょうか。
この経験が、「高校生チャレンジグルメコンテスト」での静内農業高校の大賞連覇など、多くの結果につながっているのですね。

静農コンソーシアム事業を通して得た学びや経験があることで、これからの進路や未来について考えるときに、自信を持って進むことができそうだと感じました。

コープさっぽろでは、高校や大学などと連携・協力を図り、さまざまな取り組みを行っています。「ぜひ、わが校でも!」など、導入を検討されている学校様がありましたら、コープさっぽろまでお問い合わせください。

▼問い合わせ先
コープさっぽろ 広報部
メールアドレス:csap.shakaikoken@sapporo.coop

〈関連リンク〉
▼北海道静内農業高等学校
http://www.shizunainougyou.hokkaido-c.ed.jp
▼先輩の思いを引き継ぎ挑戦「高校生チャレンジグルメコンテスト」
https://coopcycle.sapporo.coop/media/teaching/teaching_8277/
▼コープさっぽろが講師に!?北海学園大学「ビジネス実践力講座」
https://coopcycle.sapporo.coop/media/teaching/teaching_7647/

北海道で生きることを、誇りと喜びに

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