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記録的な暑さとなった2023年の夏、コープさっぽろにこんな問い合わせがありました。
「トドックステーションに冷房はありますか?」 連絡をくれたのは、生後1ヵ月の赤ちゃんを育てるお母さん。自宅にエアコンがなく、室内の気温も30℃以上! なんとか快適に過ごせる場所を…と探しても、首がすわっていない赤ちゃんを連れて涼める場所が見つからず、途方に暮れていたそうです。

うだるような暑さの中で、抱っこや授乳、寝かしつけなんて想像しただけで大変!! でもきっと、同じような思いをした方は他にもいるのではないでしょうか…?
寒さが増していくこれからの季節、今度は北海道に雪がやってきます。そうなれば公園などに出かけるのが難しくなるので、また行き場に困ることになりますよね。

そんな子育て真っ盛りなみなさんのお出かけの選択肢になればと思い、今回はコープさっぽろの「トドックステーション」についてご紹介します!
利用の仕方や、スペースの特徴、そもそもどうしてこんなことをやっているの?というところまで詳しくお伝えしていきますので、ぜひご覧ください!

トドックステーションとは?

お子さまの遊び場に、パパママの交流の場に。地域のみんなが自由に使えるフリースペース。それがトドックステーションです。全道に27箇所(2023年10月現在)あって、今後も増えて行く予定。ちなみに愛称は「トドステ」です。
各ステーションごとに異なるコンセプトがあって、雰囲気が少しずつ変わるのも面白いところ。
外遊びや児童館にはまだちょっと早いかも…という低月齢のお子さま連れでも、思い思いの時間を過ごすことができます。詳しい場所や営業時間などの情報は以下の公式ページからご確認ください。

▼トドックステーション公式ページ
https://childsupport.sapporo.coop/t_station.html

トドックステーションのうれしいポイント

そんなトドックステーションをはじめて利用するという方に!
施設の特徴や、利用の仕方などをご紹介していきます。

利用はすべて無料

トドックステーションは、全道どの場所でも料金がかかりません。
必要なのは、QRコードを読み取って行う会員登録だけ。5分もかからずスマホでカンタンに登録できるのと、2回目以降はフォームへの入力のみでOK。難しい受付などは必要ありません。

※発熱など風邪の症状がある方は、利用をご遠慮いただくようにお願いします。

授乳室なども完備

ミルクをあげたりするための、授乳室(ベビールーム)も完備しています。中には体重を測るためのベビースケールも用意されていますよ。
また、お湯の出るウォーターサーバーや、簡易キッチン(手洗いとIHコンロ)もあるので、その場でミルクを作ったりするのにも便利な設備が備わっています。

おもちゃや絵本も充実

トドックステーションの中には、自由に遊べるおもちゃや絵本なども並んでいます。
注目は、トドックステーション専用に作られた「トドックキッチン」。旭川の職人さんお手製によるもので、コンロや蛇口も細かく作り込まれています。木のあたたかみも感じられて、思わず自宅に欲しくなってしまう一台。
トドックステーションにある絵本やおもちゃの多くは「フリーマーケット」として並んでいるので、気に入ったものは100円〜500円と手頃な価格で購入することもできます。

店舗や宅配センターに併設

全道のトドックステーションは、コープさっぽろのお店やトドックの宅配センターに併設されています。
お買い物のついでに立ち寄ることができたり、なにかあったときに近くに人がいるのもうれしいポイントですよね。それぞれ駐車場もあるので、車で利用したいという方も気軽にアクセスできます。

イベントも不定期で開催

トドックステーションでは不定期でイベントも開催。
お子さんと楽しむ絵本の読み聞かせや、ベビーマッサージのほか、バランスボールを使ったエクササイズなど、パパママをサポートする講習会なども行っています。
施設ごとに開催予定が異なるため、ぜひ興味のある方はチェックしてみてください。

※イベント情報はこちらから
トドックステーションのイベント情報

利用者さんにインタビュー

トドックステーションで、実際に利用されている方にもお話を聞いてみました。
みなさん、トドックステーションの印象はどうですか…?

今日がはじめての利用です。会社の同期が紹介してくれて、利用してみました。
生後4ヶ月なので、ようやく外に連れ出し始めたところ。このタイミングでは出かけられる場所も限られるので困っていたところでした。
家ではスペースが限られるので、寝返りの練習に良いかなと思ってきたのですが、すぐにグズってしまいました(笑)。まず外の環境に慣れるところからですね。
もっと大きくなってきたら、子どもも楽しめることが増えると思う。これから通いながら、少しずつ慣れていけたらと思います。

私も今日はじめてトドックステーションを利用しました。以前にSNSで紹介されているのを見て、良いかもと思ったんです。今日はすごく寒かったので、屋内で遊べるところがいいなと思って来てみました。
トドックステーションは必要な設備が一通り揃っているので、安心して利用できますね。
地面も芝になっているので(※)、走り回ったりハイハイするのも気にならない。これから雪が降ると公園などにも行きづらくなってくるので、もっと来ることが増えそうです。
欲を言えば、歩いて来られるくらいの場所にできたらうれしいなと思いますね。

※お話を伺った新川ステーションは床が芝になっています。

センター長にも話を聞いてみた

トドックステーションのいくつかは、コープさっぽろの宅配サービス「トドック」の配送センターと併設されています。その中の一つである札幌市北区の「新川ステーション」に訪問し、センター長にもお話を聞いてみました!
子どもたちを隣で見守るセンター長にとって、トドックステーションはどんなところでしょう?

プロフィール

村野洸太(むらの・こうた)さん

生活協同組合コープさっぽろ
宅配事業本部 新川センター
センター長

村野洸太(むらの・こうた)さん

生活協同組合コープさっぽろ
宅配事業本部 新川センター
センター長

2011年に入協。いくつかの宅配センターを経て、
新川センターでセンター長に。
好きな食べものは「明太チーズだし巻き」。

―――新川センターはどんなところですか?

村野さん

約14,000名の組合員さんのもとに配送を行っている、トドックのセンターの中でも大きめの拠点です。
働く職員の世代もバラバラですが、和気あいあいとした雰囲気でみんな働いています。
私は配達員たちの安全管理の責任者として、みんなが配達から無事に帰ってこれるように願いながら、働きやすい環境づくりなどに力を入れています。

―――職員さんから見た、トドックステーションの存在はどのようなものですか?

村野さん

利用される方と直接お話する機会もあるので、「このスペースがあることで助かった」という声もいただきました。何度か来られているなという方も見かけることがあるので、気に入っていただいているのかも知れません。私たち職員の中でも、休みの日に家族を連れてきて利用する人もいますね。

新川ステーションでは子どもたちのいるスペースと私たちが働く事務所の間に窓があって、お互いが見えるようになっています。こちらからは中の様子を見守ることができますし、逆に子どもたちが手を降ってくれることもあります。
私たちも見られているという良い緊張感を持って、仕事をすることができていますね。

事務所と遊ぶスペースは窓でつながっている

どうしてトドックステーションを作ったの?

実際に利用されている方のお話なども聞きながら、トドックステーションが地域の方に利用されている場所なのだと分かりました!
でもコープさっぽろは、どうしてトドックステーションを作ったのでしょう?しかも無料で大丈夫なのでしょうか?最後にいろいろな疑問を、コープさっぽろの担当者さんに聞いてみました。

プロフィール

畠山円(はたけやま・まどか)さん

生活協同組合コープさっぽろ
組合員活動部
子育て支援推進グループ マネジャー

畠山円(はたけやま・まどか)さん

生活協同組合コープさっぽろ
組合員活動部
子育て支援推進グループ マネジャー

2011年に入協。(センター長の村野さんとは同期)
入協以来コープさっぽろの子育て支援の取り組みに携わっている。
自身も3人のお子さんを育てるママ。
バランスボールのインストラクターとして、
産後ケアなどにも取り組んでいる。

―――コープさっぽろは、どうしてトドックステーションを作ったのでしょうか?

畠山さん

コープさっぽろでは生活協同組合として、さまざまな社会貢献の取り組みを行っています。中でも「子育て支援」は大切にしていることの一つなんですね。
トドックステーションが最初にできたのは2016年。小さい子どもを連れて行ける場所や、ほかのお母さんと交流できる場所がないという相談が組合員さんからあって、なにかできないかと考えたのがきっかけです。特に北海道は冬に公園で遊ぶことができないので、屋内で安心して遊べる施設が必要になりますよね。

コープさっぽろでは他にも、子育てに欠かせないものをプレゼントする「チャイルドボックス」、絵本をプレゼントする「えほんがトドック」などの取り組みがあります。こうした子育て支援の取り組みは、トドックで回収された資源物の売り上げを元に行っているので、トドックステーションも無料で利用することができるんですよ。

※資源物回収の仕組みについてはこちらもご覧ください
1日に樹木840本分の紙が集まる!?コープさっぽろエコセンターに行ってみた〈前編〉

―――おもちゃや絵本は購入もできるんですよね?無くなってしまうことはないのでしょうか?

畠山さん

たくさん購入いただいているのですが、今のところは無いですね。
実は各ステーションにある絵本やおもちゃは、トドックの資源物回収のサービスで集まったもの。組合員さんたちの「もったいない」という意識のおかげで、こうして活用させてもらっています。全道各地から集まるので、パーツの足りないおもちゃの部品が、別のところから見つかるなんてこともあるんです!
回収されたものは、就労継続支援B型作業所でクリーニングやメンテナンスを丁寧に行ってからトドックステーションに並ぶので、安心して利用できますよ。

―――トドックステーションではイベントも行っているんですよね

畠山さん

そうなんです!絵本の読み聞かせなどのお子さんに対してのものだけでなく、例えばママの体力づくりやお話し会なんかもやっています。
また、参加する側ではなく、自分でイベントを開く会場として使うこともできるんですよ。利用者さん同士が仲良くなって、一緒にイベントを企画した例などもあります。親子で休憩したり遊んだりするためのスペースですが、そうした「つながり」をつくるための場所でもあるので、そんな利用の仕方もうれしいですね。
ぜひご希望があれば、コープさっぽろまで相談してください!

※イベント開催に関してのお問い合わせ
https://www.sapporo.coop/content/?id=149

お出かけに困ったら、ぜひトドックステーションへ

親子のためのフリースペース、トドックステーション。
実際に利用者の方の声も聞く中で、「出かける場所に困る」という声が本当に多くありました。特に冬の北海道はお出かけできるスポットが限られますし、もっともっとこのような場所が必要なのかも知れません。

そしてトドックステーションは、トドックの資源回収の売り上げによって成り立っていることも分かりました!いま子育てはしてないよという方も、トドックやコープさっぽろの店頭で資源物を回収にまわすことが、子育て支援として返ってくるのだ!という気持ちで、関わってもらえたらうれしいなと思います。
子育て中のみなさんは、ぜひ一度トドックステーションを利用してみてくださいね!

〈関連リンク〉
▼トドックステーション イベント情報
https://www.sapporo.coop/content/?id=149
▼コープさっぽろ 子育てポータル
https://childsupport.sapporo.coop/
▼1日に樹木840本分の紙が集まる!?コープさっぽろエコセンターに行ってみた〈前編〉
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_2018/

北海道で生きることを誇りと喜びに

コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。

組合員への加入はこちらから

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