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コープさっぽろエコセンターとは、資源物を集めて新たな資源へ生まれ変わらせる処理を行う、リユース・リサイクルのための施設! 365日稼働していて、毎日コープさっぽろの店舗やトドックから資源物が回収されてきます。
全道各地からとあって、ものすごい量の資源物が集まるとか?そのヒミツに迫るため、今回は施設のある江別市にやってきました!早速ですが、おじゃましま~す!!

コープさっぽろ エコセンターの概要:https://www.sapporo.coop/content/?id=3165

エコセンターで行われている作業とは?

一歩足を踏み入れた我々の目に、まず飛び込んできたのがコチラ。

なんだこの塊は!とあっけにとられてしまいましたが、よくよく見るとその正体は、見覚えのある牛乳パック!あの日飲んだアイツもここにいるのか?なんて想像を巡らせてしまいましたが、いやいやこれはまだ入り口に過ぎません。もっと見てみましょう!

塊だらけやないか!!
ダンボールにチラシに、さまざまなものが見たこともない状態になっています。しかも何個積み上がってるんですかこれは…!

センター長に聞いてみた

見たこともない世界に、アタマの整理が追いつかない我々。ちょ、ちょっと説明がほしい…!ということでセンター長の川崎さんに質問してみました。
川崎さん、ここではなにが行われているんでしょう?

“ちょうど今、ダンボールを「塊」にしているところなのでその作業を見てみましょう。
このエコセンターには、宅配トドックやコープさっぽろ店頭で回収された資源物が、北海道内の各地から集まってきます。その中でも特に多いのが、ダンボールとチラシなどの紙類です。重量で言えば、この2種類だけで9割近くを占めるんですよ。
回収された資源物はそのままだとかさばるので、ベーラー機という青い大きな機械で圧縮しています。”

“トラックで運ばれてきたダンボールは、手作業でバラしながらコンベアに乗せていきます。なぜ手作業で行うのかというと、取り除かないといけないものもあるからなんですね。例えば、汚れているものや濡れているもの、その他にはビールの6缶パックのようにコーティングされているものも水に溶けないので一緒にできません。
コンベアはエスカレーターみたいにベーラー機の中を上がっていって、上まで行ったらダンボールがギューッと圧縮されていきます。“

※編集部注:分別方法は自治体や回収場所によって異なるので、ご注意ください。

“圧縮したあとは束ねられて「塊」になります。1つで900kgくらいあって、これが1日に37〜38本くらいできあがる。
塊はエコセンターから製紙会社に運ばれて、再生ダンボールとして生まれ変わります。ちなみにきれいな状態のものはそのまま圧縮せず、再利用や販売をしています。その選別も、もちろん人の手で行っているんですよ。“

“チラシ類の方はというと、こちらも古紙再生ができる製紙会社に運びます。そこでトイレットペーパーやリサイクルティッシュなどに生まれ変わりますね。
お気づきかも知れませんが、すごい量の資源物が入ってくるので、処理をする・出荷するという作業も次々に行わなければなりません。倉庫のスペースは限られますからね。
搬入と搬出を呼吸するようにやらなければいけないのですが、そうしたときに停電などがあると困ることになってしまいます。「胆振東部地震」でブラックアウトがあったときは、物流だけが先に動いたので、どんどん荷物だけが溜まって大変だったんですよ。“

なるほど、エコセンターではそんなことが行われていたんですね。震災のときもそんな苦労があったとは!たしかにこれだけの施設が停電になってしまったら、あっという間に資源物で溢れかえってしまいそうです。にしても次々と塊を積んでいくフォークリフトがかっこいい…!

紙以外にもさまざまなゴミが

エコセンターではダンボールやチラシだけでなく、ほかにもたくさんの資源物を回収しています。
新聞紙・紙パック・内袋(宅配トドックで配達時に使用する袋)・トレイ・発泡スチロール・天ぷら油(廃食油)・アルミ缶・スチール缶・古着・服飾雑貨・ペットボトル・結束用バンド…。
365日稼働しているので、毎日全道のコープさっぽろの店舗や事業所、トドックから集められる資源物は相当な量に。ちなみに1年間で集まった重量は…

その量なんと、38,208トン!!(2021年度の実績)大きすぎて全く想像がつきません。
身近なもので例えると、世界最大の動物であるシロナガスクジラを250頭集めたくらいになるようです!全く想像がつきませんね!!

チラシをはじめとした紙類だけでも1日平均で約42トンの回収量に。これは樹木に換算すれば840本分、本に換算すると広辞苑12,000冊分くらいになるようです。これまた壮大な数字…!

※参考:国立科学博物館紙への道/FAQ(16) 「古紙1tは立木、20本に相当する」算出根拠広辞苑 第七版

資源回収で子育ても応援!?

エコセンターにはもう一つのヒミツが。実はこの資源を販売した収益は、子育て支援活動に役立てられているのだそう。その主な取り組みがこちらです!

子どもたちに絵本をプレゼント!「えほんがトドック」

1〜2歳のお子さま、またはお孫さんのいるコープさっぽろ組合員世帯を対象に、合計4冊の絵本をプレゼントする取り組み。累計で118,817名の方にお届けしています。(2023年2月時点)
https://www.sapporo.coop/content/?id=1302

絵本の楽しさを知ってもらう訪問活動!「えほんワクワクキャラバン」

保育園や子育て支援センターなどに訪問し、子どもたちに「絵本の楽しさ」を知ってもらう取り組みです。2021年度は54園に訪問し、2,656名が参加しています。
https://www.sapporo.coop/content/?id=1344

ベビー用品をみなさまへ!「ファーストチャイルドボックス」「コープチャイルドボックス」

フィンランドの取り組みを北海道で実現した、ご出産予定の方に育児用品をお贈りする取り組み。2018年より延べ51,979個をお届けしています。(2023年2月時点)
https://www.sapporo.coop/content/?id=2371

まさかリサイクルの収益がこんな風に使われていたとは…!これってつまり、ゴミをしっかり分別して出すと、自分たちの役立つものとして返ってくるってことですよね。さらにはエコセンター内で働く職員として、障がいを抱えている人を積極的に雇用し、その社会進出も応援しているそう。なんと恐るべしコープさっぽろエコセンター!

どうしてこんな取り組みを?

エコセンターを見学して気になったのは、どうしてこんな取り組みを始めたのか?ということ。
資源の回収自体は、組合員さんの声を受け1990年に牛乳パックの回収を行ったことから始まり、そこからもっと「組合員さんの生活に役立つことをしたい」と環境のためにできることを考える中で、2008年にリユース・リサイクルのための施設「エコセンター」が生まれたそうです。
リサイクルしないゴミは処理場で燃やしたり土の中に埋めたりしますが、そのためには処理する場所・エネルギー・お金が必要です。ゴミの焼却や埋め立てをすることで臭いが発生したり、私たちの健康・環境に悪影響を出したりすることもあるので、リユース・リサイクルはだれにとっても大切な問題ですよね。

「ゴミを捨てる」とき、ついつい手間や面倒であることを言い訳にして、分別をサボってしまうこともあると思います。でもその小さな選択が、「ゴミ」になるか「再生資源」になるかを分けているんですよね。
環境にも子どもたちにもやさしい取り組みにつなげることができるのだと考えると、ゴミの問題をもっと自分ごととして考えなければと実感します。
適切な捨て方や分別の仕方などは、自治体や回収場所によっても異なるので、私もこの機会にいまいちど確認してみよう!と思いました。小さなひと手間が、自分たちの利益となって返ってくる。本当の意味での「リサイクル」を実現しているのが、エコセンターなのかも知れません。

そして最後にひとつお話を。実は宅配トドックで主に回収しているエコセンターの資源物は、キレイなものが多いため、とても回収効率が良いのだそう。なぜキレイなものが多いのか?そのヒミツは次の「後編」でご紹介したいと思います!ぜひそちらもご覧ください!!

〈関連リンク〉
▼コープさっぽろエコセンターに行ってみた〈後編〉キレイな資源物が集まる理由とは!?
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_2279/
▼コープさっぽろエコセンターの概要
https://www.sapporo.coop/content/?id=3165
▼コープさっぽろエコセンターの見学
https://www.sapporo.coop/content/?id=1022
バーチャル見学はこちら

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