梶原加奈子さんデザイン「エコマイバッグ」祝10周年!記念インタビュー&人気デザイン投票を実施!

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みなさんこんにちは!
突然ですが、コープさっぽろが作っている「エコマイバッグ」をご存知ですか?ジュートとコットンの天然素材でできたエコバッグで、2009年から製作されています。2013年からはテキスタイルデザイナーの梶原加奈子さんがデザインを担当され、2023年で誕生から10周年を迎えます。それを記念して今回は、梶原さんにインタビューを行いました。
10年前の当時のことや、デザインに込められた思いなどをお話いただきましたので、ぜひご覧ください。また、記事の最後にはキャンペーンの情報もありますので、お見逃しなく!

何年も続けるから、暮らしに浸透していく

 

●テキスタイルデザイナー 梶原加奈子(かじはら・かなこ)さん
北海道札幌市出身。多摩美術大学、ロンドンの大学院Royal College of Art卒業。日本の繊維工場と世界をつなぐテキスタイルデザイナー。2006年KAJIHARA DESIGN STUDIOを創業。北海道札幌の森にショップ・ダイニング・ゲストハウスの複合施設「COQ」を立ち上げ、自然と共に過ごすエシカルライフスタイルからカラーヒーリング&サーキュラーライフを発信している。

 

―――今年で10周年を迎える「エコマイバッグ」。この10年を振り返って、どのようなことを思われますか?

10年前にご依頼があったとき、北海道の企業からお声がけいただくのは初めてのことでした。北海道の海産物や食べ物を絵にするという作業は、自分のプライベートな部分を表現できると感じうれしかったです。また、当時は「地域おこし」につながる仕事が多く、テキスタイルデザイナーと名乗れる仕事は少なかった。そんな状況で、よく私を見出していただけたなと思いました。
日本では「サステナブル」という言葉がまだまだ一般的ではなかったので、どれだけ続けられるかと思っていましたが、それから毎年ご依頼いただくことに。5年目くらいから、これは社会とともに育っていく商品なのだと気がつき始めました。

エコやサステナブルというのは一瞬の話ではなく、長い時間の中での問題です。社会に行き渡るというのはそんなに簡単ではないので、何年も何年もやることで定着し、定番になり、暮らしに浸透する。
だからこそ継続性が重要になりますが、コープさっぽろさんがデザインとサステナブルに関わるエコバッグを、ずっと作っていく意志を持っていることには感銘を受けました。

ついに誕生から10年目になりますが、その間に自分自身の仕事内容もすごく変わってきました。一人で始めたスタジオも、今では15名の社員を抱えるように。その中でずっとエコバッグの仕事を続けてきているので、たくさんの歴史や思い出が詰まっています。バッグと一緒に成長することができ、うれしく思います。

サステナブルの意識が世界中に広がった

 

―――開始当初は「サステナブル」もここまで浸透していなかったと思います。どのような想いで取り組まれていましたか?

海外でサステナブルの関心が高まってきたのは、2017年くらいから。当時は欧米で仕事をしていたので、素材の提案にはサステナブルを求められ始めていました。しかし日本では環境保護が世界にとって必要かより、ビジネス的にどうなのかという目線が強かった。
それが今はコロナ禍を経て、地球環境が生活に影響するという実感やサステナブルの意識が、世界中に広がったと思います。10年間という時間を経ることによって、社会も変わっていくのだということをこのプロジェクトを通して感じています。

ファッションやテキスタイルに関わってきた分、資源をどう活用するか、どう暮らしていくかということにも触れてきました。「無駄なことをしない」「捨てるものを作らない」というエコの概念は、自分にとって意外なものではなかった。それでも当時ビニール袋に慣れていた方からすると、それを断って自分の袋に入れるというのは一般的ではなかったと思います。
そういう方々に向けては、エコとかサステナブルという問題以上に「かわいいから持ちたい」という動機を作ることが大切。そういう意味で、デザインがすごく重要なプロジェクトだと思っています。

「横にあってもいい」と思えるデザイン

 

―――デザインに込めた想いについても教えてください。

第一に、それがあることで楽しく、気持ちが華やかになること。見たときに感情が高まるとか、癒やされるとか、なにかしらポジティブにするための補助的な要素として、デザインはあると思っています。
「買い物に行ったときに持ちたい」とか、「持っている自分を見てほしい」とか。人が使っているものに対しても「なんだろう」「あれかわいい」と思ってもらいたい。そのため柄も適度に大きくして、遠くからでも目立つように意識しています。

それでも強すぎる印象にはしたくなかったので、柔らかさを感じてもらえるしかけも少しずつ加えています。カラフルですが中間色を使ったり、手書きの少し歪んだラインをもとにしてデザインを構成したり。なんとなく横にあっていいという存在にするというか、強すぎず、楽しさを演出できる加減を求めています。

コープさっぽろで販売されるものですから、「家族」というのがテーマにあります。家族や近しい人と一緒に過ごした時間に対しての記憶・楽しさ・喜びをコンセプトに込めているので、ぜひご家族で使っていただきたいです。

北海道を離れて、北海道愛が増していった

 

―――デザインのモチーフはどのように決められているのですか?

ほとんどが、幼いときの北海道での体験が元になっています。最初に手掛けたのは「ハマナス」のデザインでした。北海道の花でもあるし、自分も小さい頃に花びらをペタペタつけて遊んだり身近な存在でした。印象的な大きな花びらを描きたいという思いもあったので、最初のモチーフになにを選ぶかはすごく悩みましたが、今でもあの柄は好きです。

あとは、何かを食べたときの記憶。例えばとうきびを一緒に家族と食べたときにどんなシチュエーションで食べたか、というような記憶から発想していくことが多いです。自分の中の懐かしい感覚を追っているのかも知れません。

北海道愛が増したのは、実は海外で生活するようになってから。移住先のロンドンで「あなたのオリジンは何か」と聞かれる機会が多く、そこで北海道の話をたくさんしました。
それから育ってきた環境やバックグラウンドが、デザインの思想とか軸にあるのが大事だと思うように。北海道のことについて勉強したり、なぜ北海道が気持ちいいと思うのかという追求をしたり、そんな風に意識し始めたのはロンドンに行ってからのことです。

私は青や黄色が好きなのですが、なぜ好きかを読み解いていくと暮らしに直結します。おそらく北海道の青い空とかフキノトウの黄色とか、記憶に残る色があり、それが好みに影響しているのだと思います。

環境にもやさしい、ジュートの魅力

 

―――エコマイバッグには「ジュート」という素材が使われていますね。

エコマイバッグの生産は、インドで行われています。主な素材となっているジュートをこんな風に使って作れるというのは、日本の生産現場から言ったら贅沢な話。日本では高価なので、インドならではのマテリアルなのです。

ジュートは水をあまり使わずに育成でき、成長も早い。土に埋めれば分解され自然に還ります。環境にやさしく緑を失わないものでもあるので、活用を期待されている素材です。それでいて糸に節があり、ソリットというか、機械的に作ったとは思えないナチュラル感もある。ハンドプリントと相まって奥行きや温もりが出るので、強すぎず、生活になじむデザインが表現しやすいのです。

 

こんな素晴らしい生地・形にデザインできて、皆さんに届くようなプロダクトになるなんて、奇跡のプロジェクトですよね。デザイナーの力だけではできないし、大きなプラットフォームを持っているコープさっぽろと一緒になることで思いが形になるというか、実行力を持つというか、それが素晴らしいと思います。

私は「架け橋になるデザインをしたい」「デザインをして終わりは嫌だ」と思っていて、「お客さんが楽しんで使ってくれている」ということまでを叶えたいし、そのためにやっている。
新千歳空港に帰ってくると家族連れがエコマイバッグを持っていたり、あとはキャンプ場でも見かけることがあり、本当に使ってくれているのだなと感動します。このような素晴らしいプロジェクトに出合えたことに、感謝しています。

一年に一回、ベストなものを作りたい

 

―――エコマイバッグやデザインすることへの想いについても教えてください。

若い人たちには「今日のこのデザインが美しいかで一喜一憂してはいけない、より良い社会に変化していくときに役に立っているかを自問自答していこう」と伝えています。今美しいものができても、明日もう一度できるかの方が継続性の面では大切。それを生産できる体制を守る意識を持つこと。職人さんがもう一度作りたいと思える商品になれるかという視点も大事なのです。

自分の中で継続性というのはすごく大事なテーマ。1~2年でエコマイバッグ作りをやめていたら、こういう風にブランド化というか、皆が知っているシリーズにはなっていません。

「コープのマイバッグが欲しい」「デザインが好き」と感じるのは個人の価値観ですが、「こんなデザインをこんな人が作っていて、それを持っている私は素敵」と思えるのは付加価値です。付加価値を作ることは、一度のデザインではできないこと。何年も継続して取り組むことで価値がアーカイブされて、商品を持っていることへの満足感ができていくのです。

 

 

こうした商品の場合、普通だったらデザイナーを変えて、いろんな人とコラボしようと考えたりするものですよね。それをせずに、一人を使い続けていただけることに感銘を受けます。だからこそ、コープさっぽろさんの意思に感謝して、すごくいいものを作りたいという気持ちが高まります。一年に一回新しいデザインを作るときは、ベストを出せるようにと思い続けています。

10周年記念 人気デザイン投票!

梶原さんのインタビュー、いかがだったでしょうか…?改めてさまざまな想いが込められて「エコマイバッグ」はできあがったのだなと実感します。さて、梶原さんやお客さまとともに成長してきたエコマイバッグですが、10周年を記念して、特別な企画を行います!

 

10周年特別企画「人気デザイン投票」

・コープさっぽろエコマイバッグの過去バッグの中で、人気投票1位のデザインを復刻!
・1位となったデザインに投票いただいた方の中から、抽選で100名様に人気投票1位デザインのエコマイバッグとミニバッグセットが当たります!

●投票方法
こちらの投票フォームにアクセスし、必要事項をご入力の上ご応募ください。
https://form.run/@coop-eco-my-bag-campaign
※投票の受付は終了しました。
●投票受付期間

2022年11月1日(火)〜11月30日(水)
※復刻デザインのエコマイバッグは来年、コープさっぽろ店頭にて販売予定です。
※当選発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。

梶原加奈子さんデザインのエコマイバッグ10周年を記念して、これまで販売してきたものから「人気デザイン投票」を行います。1位になったデザインは、なんと復刻販売することに!フォームから簡単に入力ができますので、ぜひご応募ください!そしてこれからも「エコマイバッグ」をどうぞよろしくお願いします〜!


【2023年2月9日追記】 結果発表〜!!

昨年11月に行った人気投票ですが、総数8,669票とたくさんの投票をいただきました!
気になる結果は…北のかおり(ラベンダー)が1,172票を獲得し、見事1位に輝きました!!こちらのデザインが6月に復刻販売される予定となりますので、ぜひお楽しみに。投票にご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

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