▼ 目次

最近は当たり前になった“レジ袋有料”の文字。レジ袋が有料になったことでエコな活動が身近になり、限りある資源を大切にしようと意識する方が増えているように感じます。
一方、北海道は他県と比べてごみのポイ捨てを規制する条例を設けている市町村率が低いそうで、特に雪解けの道路の脇や海岸近くでは、ポイ捨てされたごみが目立つという現状も。

コープさっぽろでは、楽しく行うことで環境活動が継続されるようにという思いから、海岸の清掃活動「Hokkaido 海のクリーンアップ大作戦!」を行っています。

毎年開催している「Hokkaido 海のクリーンアップ大作戦!」(通称:海クリ)も今年で4回目。今回は、海クリに初参加する編集部の新人スタッフが、イベントの様子や参加者の思い、参加したきっかけなどをお伺いし、ご紹介します!

「Hokkaido 海のクリーンアップ大作戦! Vol.4」開催概要

▼日時
2024年5月15日(水)、5月18日(土) 10:00~11:00の1時間(受付開始9:30~)
▼場所
全道47カ所
▼内容
海岸清掃活動(河川清掃2カ所、湖清掃2カ所)
▼参加
11,416人
▼回収ごみ袋
4,170袋(45リッター換算)

<関連リンク>
▼公式ページ
Hokkaido 海のクリーンアップ大作戦!<Vol.4>
▼2023年開催時の様子はこちら
ごみ拾いで海をきれいに!「海のクリーンアップ大作戦! Vol.3」レポート

石狩市「あそびーち石狩(石狩浜海水浴場)」会場の様子をご紹介!

今年は、5月15日(水)、5月18日(土)の2日にわたって開催。私たちは、5月18日(土)に開催された石狩市・あそびーち石狩へ行ってきました。今年初の海岸にワクワクしながら向かった編集部スタッフが、あそびーち石狩会場の様子をレポートしてまいります!

帽子や日焼け止めなど紫外線対策をしっかりして、いざ会場へ。この日は天気にも恵まれ、絶好のごみ拾い日和!Tシャツや短パン姿の方もいましたよ。

受付開始

受付では、海洋ごみを再利用した素材で作ったコープさっぽろオリジナルのエコバッグと未利用線維を使用した軍手を受け取ります。軍手はさまざまなカラーが用意されていて、どれにしようか迷っている方もたくさんいました。

好きなカラーの軍手を選べます。

トドックが付いたかわいいエコバッグ。

開会式&ごみ拾い開始

参加者は総勢3,262人!昨年の参加者が約1,500人だったので、なんと今年は昨年の2倍以上の参加者が集まっていました。これだけの人が集まると、マイクを使っても、一番後ろの方に声が届いているか心配になるほどの人数。コープさっぽろ大見理事長の「年に1回プラスチックごみを拾うということで、未来につながる1日にしたい」という言葉を胸に、いざごみ拾い開始!

トングやごみ袋を持って、ごみ拾いスタート!

親子で協力してごみ拾いをする参加者も。

実際に落ちていたプラスチックごみ。

ごみ拾いクイーン発見!

「海岸は想像していたよりもきれいだった」という声が聞こえる中、人一倍ごみを集めている“ごみ拾いクイーン”を発見!袋いっぱいにごみを集めている、2人の女性に話を聞きました。

お二人は、さまざまなごみ拾いのイベントに積極的に参加していて、いつか自分たちでもごみ拾いのイベントを主催したいと考えているそうです。

なぜこんなにたくさんのごみが集まったのかお伺いすると、
海ごみが全て海岸にあるとは限らないんですよね。ごみのほとんどは陸からくるので、私たちは海岸から少し離れた陸側にある駐車場周辺のごみ拾いをしていたんです。」

海岸にあるごみは、他の場所で捨てられたごみが川や海を通って漂着したもののほか、海水浴客など海岸を訪れた人が残した放置ごみも多くあります。お二人のように、目の前にごみがあったから拾うのではなく、自らごみを見つけて拾いに行くなど、「ごみがどこからやってくるのか」「どうして生まれてしまうのか」を考えながら、ごみ拾いをしている姿が印象的でした。

袋の中にはたくさんのごみが!

参加した「カネシメ髙橋水産」さんにインタビュー

カネシメ髙橋水産さんは、札幌の中央卸売市場にある水産物の卸売会社。
日々、海や魚と向き合うみなさんはどんな思いで参加されているのでしょうか。

カネシメ髙橋水産
営業第二本部長 執行役員常務
三上英人(みかみ・ひでと)さん

三上さん:カネシメ髙橋水産は開催当初から参加しており、4回目です。年1回ではありますが、どんなことも一人ひとりができることからやる。それが大きな1歩につながっていくのだと感じております。
今年100周年を迎える弊社も、海に対するやさしさを大切に「海につながる植樹祭」という植樹の企画をしています。こちらもできることからやっていきたいですね。

さらに、乱獲を防ぎ、水産物のトレーサビリティを追える仕組みにし、どのような環境でどんなふうに獲れた魚か分かるようにすることで、海の資源を管理していく仕組みも導入していく予定です。
海の清掃活動をはじめ、今後は海や海を取り巻く環境を育てることを大切にして、未来に魚を残していかなければならないと思っています。

カネシメ髙橋水産のみなさん

石狩の海はどんな場所?「しめっちネット」さんに聞いてみた

普段はみんなが遊びに来る海岸。海岸があることでたくさんの方が地域に遊びに来る一方で、今回拾ったごみの中には、バーベキュー用の網やレジャーシートなど海水浴客のものだと思われるごみも多くありました。

石狩地域の海岸は地域の自然環境にとってどんな場所なのか。石狩地域の海と地域のつながりを知るために、石狩地域の自然環境保護活動をされている、しめっちネット代表の鈴木さんに話を聞いてみました。

プロフィール

鈴木玲(すずき・あきら)さん

石狩川流域 湿地・水辺・海岸ネットワーク
「しめっちネット」代表

鈴木玲(すずき・あきら)さん

石狩川流域 湿地・水辺・海岸ネットワーク
「しめっちネット」代表

―――しめっちネットさんの活動を教えてください。

しめっちネットは、石狩川流域にわずかに残された湿地の保全・利活用し、子どもたちに残すことを目的として設立された団体です。多くの人に知ってもらって一緒に活動するために、カフェの開催や人形劇や落語などの楽しい活動を通して一般の方に伝えていくことを大切にしています。

―――海水浴を楽しむ方も多いあそびーち石狩は、地域にとってはどんな場所ですか?

海岸線は海と陸の移行帯で、ここは生物がいる大事な場所です。石狩地域は100年ほど前まで広大な湿原があり、多様な野生生物や人々がそこで暮らしていました。現在でもわずかに残った湿地(湿原・沼・海岸)が、希少生物を含む多様な生物の生息地となっています。
実は、日本では海岸線があるところ自体が少なくなっています!大きな震災で津波が起きてたくさんの犠牲があったこともあって、被災地では津波を防ぐための防潮堤が築かれ、海岸が波などで削られることを防ぐために海岸線をテトラポットやコンクリート塀にしている所が増えています。

―――海岸がなくなるとどうなりますか?

海岸で生活する生き物は住めなくなり、産卵する生き物もそれが難しくなります。そして、その生き物を食べ、住み家とする生き物もいなくなります。さらに、その生き物を食べる別の生き物も食べるものがなくなる…。
自然は繰り返し循環しながら保っているので、自然に作られたものを人工的になくしてしまうと自然の中の全ての循環がうまくいかなくなります
ごみがその活動を止めてしまうこともある。実際に餌と間違えてごみを食べて死んでしまっている海の生物はたくさんいます。

海が海であるためには、人の役割を考えることが大事だと思っています。将来に向けて、自然と共存して生きるために今残っている大切な自然を守るための活動をしていく。
自然は完全になくなってしまうと人間が作り出すことはできないので、海岸のごみ拾いなど、守るための活動をする必要があると考えています。

「海のクリーンアップ大作戦!」から考える

今回参加して驚いたのは、あそびーち石狩会場に集まった参加者の多さ!そして、「海のクリーンアップ大作戦!」はあそびーち石狩会場だけでなく、道内47カ所で行われていたのだと考えると、集まったごみの多さを見ても、海にごみを流さないための大切な活動であると感じました。

実際に清掃活動をしてみると、小さいプラスチックと木や貝殻が混在していて、人工物と天然物を見分けるのにも一苦労。大きなごみだけでなく時間を経て小さくなってしまったマイクロプラスチックもたくさんありました。
大きな社会問題として挙げられることの多い海のごみ問題ですが、その日拾われたごみは生活に身近なごみも多く、一人ひとりの日々のごみの分別やごみを生み出さない努力など、できることから始めてみることが、大切なのかもしれません。

今回集まったごみの一部

ごみ拾いが終わるとみなさんの表情が達成感でにこやかに。

誰かがやってくれるという意識ではなく、誰もが自分事として考えられると、海岸からごみが消えるという素晴らしい未来につながるはず。
地域の自然環境を守るためにも大切な海岸。コープさっぽろでは、来年以降も継続して「海のクリーンアップ大作戦!」を開催予定です。

大勢で参加するゴミ拾いは、達成感が何倍にもなりました。
来年もみなさんと一緒に、未来につながる1歩にできる日を楽しみにしています!

〈関連リンク〉
▼Hokkaido 海のクリーンアップ大作戦! 公式ページ
https://mybottle-eco.com/action/cleanup/
▼「Hokkaido海のクリーンアップ大作戦!vol.4」参加募集中!学生限定の運営ボランティアも
https://coopcycle.sapporo.coop/media/environment/environment_6329/
▼ごみ拾いで海をきれいに!「海のクリーンアップ大作戦! Vol.3」レポート
https://coopcycle.sapporo.coop/media/environment/environment_3309/

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