ここ数年、耳にする機会が増えた「SDGs」や「サステナブル」「エコ」という言葉。実はコープさっぽろがこれまで大切にしてきた考え方と、通ずるものがあるんです。というのもコープさっぽろは、組合員さんによる組合員さんのための組織「生活協同組合」です。「北海道で生きることを誇りと喜びにする」ことを目指して、これまでにさまざまな社会貢献に取り組んできました。
でも、「SDGs」や「サステナブル」って、そもそもどういう意味の言葉なのかを知っていますか?環境に優しかったり、エコだったりというイメージはあるものの、「難しくていまいちよくわからない」「SDGsとサステナブルは何が違うの?」という方も多いはず。
だからと言って、SDGsやサステナブルは自分とは関係ないかも…とスルーするのは、ちょっとお待ちを〜!実は、私たちがふだん使っているエコバッグやマイボトルも、サステナブルな社会の実現につながる重要な活動なんです。そこで今回はSDGsとサステナブルについてわかりやすく解説!札幌・近郊で行われているサステナブルな取り組みもあわせてご紹介します。
SDGsとは?サステナブルとの違いも
SDGsは「エス・ディー・ジーズ」と読みます。「Sustainable Development Goals」の略称で、「持続可能な開発目標」という意味があります。「持続可能?」「開発?」と、ちょっとこのあたりで意味がわからなくなってきた…という人もいるのでは?
いま、世界中では気候変動をはじめとした環境問題や貧困、人権問題、紛争など、さまざまな課題にぶつかっています。「このままでは地球がもたない!持続できない!」と危機を感じた世界の国々は、「世界でこれらの課題を解決して、よりよい未来を作っていこう!」として、目標を掲げました。これが、SDGsです。
SDGsでは「誰一人取り残さない」をキーワードに、私たちがこのままずっと地球で暮らし続けることができる社会を叶えるための、17の目標と169のターゲット(取り組み・手段)が掲げられています。
もちろん、ただ目標をつくって「世界中のみなさん、目標達成できるようがんばってね!」というわけではありません。目標を達成するゴールは、ずばり2030年。それまでに確実に目標を達成できるように、世界各地で行動にうつしています。地球に住む人々が、一丸となって地球をどうにかしないと、ちょっと“やばい”状況になっているんです。
サステナブルとは?
最近よく聞く「サステナブル」という言葉。「サステナブルな社会」とか「サステナブルな食品」なんて使い方をされています。
サステナブルは英語で「Sustainable」と書き、「持続可能な」「維持できる」という意味があります。つまり、「サステナブルな社会」は「持続可能な社会」ということ。環境への負担を少なくした、未来の子どもたちもずっと変わらずに地球で生活を続けていける社会、のことを指しています。
ちなみに、SDGsやサステナブルと一緒に聞かれることが多い言葉に、「エシカル」があります。
エシカルは主に「エシカル消費」という使い方をします。日々の暮らしの中で、買い物をしたり、使ったり、食事をしたりするときに「人や地球環境、社会に配慮した商品・サービスを積極的に選ぶこと」をエシカル消費といいます。
リサイクル製品を買ったり、地産地消の食材を食べて地域を支援したり、カフェにマイボトルを持参したり。気が付かないうちに、実は取り組んでいた!なんてことも多いかもしれませんね。
今、世界でサステナブルな社会を目指すのはなぜ?
最近、「台風が多い」「猛暑の日が増えた」と感じることはありませんか?実は、異常気象や気候変動は世界中で起こっています。これはさまざまな原因がありますが、まず一番に考えられるのが地球の温暖化。温暖化は、エネルギーの利用などによって世界中で排出されている、二酸化炭素が関係しています。でも、二酸化炭素は世界の一部の人だけが頑張っても減らせません。私たち一人ひとりがサステナブルな社会を目指して取り組んでいかないと、減らすことはできないんです。
そして、もっと身近なところで考えると、わたしたちが住む北海道にも、サステナブルな社会を目指す必要がある課題が、た〜っくさんあるんです!例えば、地域全体で子どもを見守り育てる社会づくり、高齢者や障がい者が安心して北海道で暮らし続けられる社会づくり、地域を支える中小企業に対してのサポートなど。また、気温が上昇することで、農作物の品質が低下したり、病気が発生したりするなどの課題も考えられます。
ほかにも、環境や防災などさまざまな課題があります。でも、まずは!自分が、そしてまわりの大切な人たちが、大好きな北海道で安心して住み続けられるように、課題と向き合っていくことから、一緒にはじめていきましょう!コープさっぽろでもSDGsの取り組みを行なっています。各店舗では、微生物の力で生ごみを分解・微細化し、水として排出する「生ごみ処理機」を導入!これによって、生ごみを焼却処分するときに使われるたくさんのエネルギーを減らし、二酸化炭素の排出を軽減しています。
ほかにも、事業活動で消費する電力を再生可能エネルギーに切り替えたり、「えほんがトドック」や「大学生育英奨学金」といった子育て支援や教育に関わる取り組みだったり、資源循環施設「エコセンター」の運用など、さまざまな取り組みを行なっています。
コープさっぽろのSDGs BOOKでもご紹介しているので、こちらもチェックしてみてくださいね!
札幌市は「SDGs未来都市」に選定!
日本では、優れたSDGsの取り組みを提案する地方自治体を「SDGs未来都市」に選定し、SDGsを原動力とした「地方創生SDGs」を推進しています。北海道では札幌市・ニセコ町・下川町・上士幌町が選ばれていますよ!(※2023年6月現在)
札幌では、「次世代の子どもたちが笑顔で暮らせる持続可能な都市『環境首都・SAPP‿RO』」を将来像として掲げ、さまざまな取り組みを行なっています。2030年を目標に将来像を実現するために、「健康で安全な環境で生活できる都市の実現」や「積雪寒冷地に適した低炭素社会の実現」などの取り組みを掲げています。これだけ聞くと、なんだか難しそうだし、自分にはできないかも…と感じてしまうかもしれません。
でも、そんなに難しく考えなくてOK!例えば、輸送エネルギーの少ない地産地消のものを選んだり、飲食店では残さないように食べられる量だけ頼んだり、ゴミをしっかり分別したり。とくに意識していなくても、取り組んでいるものもあるのではないでしょうか?
住み続けられるまち、そして、未来も笑顔であふれるまちをつくっていけるように、みんなで楽しみながらSDGsに取り組んでいきたいですね!
【SDGs】札幌・近郊で行われているサステナブルな取り組み
私たちが住むまちに、どんなサステナブルな取り組みがあるのか知ることも、SDGsの目標達成のために、私たちができることの一つ!最近は札幌や近郊でもSDGsに取り組む団体やお店などが増えています。
今回は、その中から3つご紹介します。
Farm Agricola
SDGsでは、以下の目標に該当します。
1、貧困をなくそう
3、すべての人に健康と福祉を
8、働きがいも経済成長も
10、人や国の不平等をなくそう
当別町の自然が広がるのびのびとした環境で、約6,000羽の鶏を平飼いしている「Farm Agricola(ファームアグリコラ)」。全国でも数少ない、有機JAS認証を取得したオーガニックの卵を生産しています。北海道産の原料にこだわった自家配合飼料を餌に使用するなど、臭みがなく優しい味わいの高品質のたまごは、多くのレストランや製菓店などからも支持されています。農業と福祉が連携し、障がい者が農業で活躍することを通じて、生きがいを持って社会への参画を実現していく取り組みを「農福連携」といいます。
就労継続支援A型事業所でもあるFarm Agricolaでは、農業を通じて障がい者就労を支援する取り組みを行なっています。利用者さん一人ひとりが鶏のお世話や畑作業などの農業を通じて、誇りを持って消費者に届けられる高品質なたまごをつくることで、自分に自信を持てるようサポート。
代表の水野さんご夫妻は、ともに長年看護師として活躍していたそう。利用者の方々がいずれ自立して自分の幸せを見つけていけるよう、安心して働き、そして相談できる環境をととのえています。
Farm Agricola(ファームアグリコラ)
https://www.agricola.jp
Planasista
SDGsでは、以下の目標に該当します。
12、つくる責任つかう責任
14、海の豊かさを守ろう
エコでエシカルで健康的な暮らしを提案しているコンセプトショップ「Planasista(プラナシスタ)」。海洋汚染や生態系への被害にもつながるプラスチック。そんなプラスチックを使わないプラスチックフリーで便利な暮らしを叶える日本、そして世界各地のアイテムを取り揃えています。
ほかにも、ナッツやオートミールなどの無添加食品や自然洗剤の量り売りも行なっています。必要な分だけ購入できるから無駄がないですし、持参した容器に詰めれば、プラスチックゴミを減らすこともできます。容器がない方は、紙袋や瓶を用意してくれるので、手ぶらでもOK!
また、店舗2階は「健康をアクティブに整える」をコンセプトにしたカフェ&イベントスペースになっています。木のおもちゃが充実したキッズスペースがあるほか、イベントスペースでは人と人、そして地域がつながれるイベントも不定期で開催。
エコやエシカルは、決して不便ではなく、工夫することでもっと便利になるということが発見できるお店です。楽しみながら、エシカルな暮らし叶えたいですね!
Planasista(プラナシスタ)
https://planasista.com
HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS
SDGsでは、以下の目標に該当します。
3、すべての人に健康と福祉を
4、質の高い教育をみんなに
10、人や国の不平等をなくそう
16、平和と公正をすべての人に
「北海道に障がい者スポーツの拠点をつくる」をテーマに、チーム活動やスクール活動、イベントなど、さまざまなスポーツ活動を行なっている「HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS(ホッカイドウアダプティブスポーツ)」。
札幌を拠点に活動しているパラスポーツクラブでは、障がいの有無や競技種目、性別、年齢、志向などにとらわれることなく、「すべての人がスポーツを楽しめる社会づくり」を目指しています。
ここでは、挑戦したいパラスポーツを選べるのも魅力。例えば、バスケットボールやソフトボール、テニス、マラソンなどのほか、冬はシットスキーやチェアスキーなど、雪国・北海道ならではのスポーツに挑戦することもできます。
一年を通してさまざまな大会にも参加できるので、自分、そしてチームの目標を掲げて、思い切り体を動かして楽しむことができますよ!初心者から上級者まで、子どもから大人まで、障がいの有無に関わらず、だれもパラスポーツを楽しめる拠点です。
HOKKAIDO ADAPTIVE SPORTS(ホッカイドウアダプティブスポーツ)
https://h-adaptive-s.com
私たちが今できる、SDGs・サステナブルなこと
SDGsは決して堅苦しいものではありません。私たちがすぐにはじめられるサステナブルな取り組みは、実はたくさんあるんです。
●節電・節水を心がける
使っていない電気を消す、水を出しっぱなしにしないなど、「無駄づかいをしない」ことを意識してみましょう!
●フードロスを減らす
食べ切れる量だけ買うことを意識することで、食品の廃棄量を減らすことができます。
●地産地消を意識する
地元で採れた食材を選んで購入することで、輸送時に排出されるガスやエネルギーを削減できます。また、地域のフードロスを減らすことにもつながります。
●リサイクルする
紙パックや食品トレイなどの資源物は、捨てるのではなくリサイクル。ゴミが減るだけでなく、新たな製品やエネルギーとして利用することができます。
●マイバッグ・マイボトルを活用する
おでかけのときにマイバッグやマイボトルを使うことで、プラスチック製品の使用回数を減らすことができます。全国でレジ袋が有料化され、マイバッグを持ち歩く機会が増えたという方も多いですよね!
コープさっぽろでも、お買物が楽しくなるようなデザインのオリジナルのエコマイバッグをラインナップ!ジュートとコットンの天然素材を使い、インドで一点一点手作りしています。同じ柄のマイボトルもあるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
SDGsは無理なくライフスタイルに取り入れることが、続けられるコツ。日々の暮らしの中で「これならできる!」という取り組みからはじめて、心地よく暮らせる未来をつくっていきたいですね!
〈関連リンク〉
▼梶原加奈子さんデザイン「エコマイバッグ」祝10周年!記念インタビュー&人気デザイン投票を実施!
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_1053/
▼1日に樹木840本分の紙が集まる!?コープさっぽろエコセンターに行ってみた〈前編〉
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_2018/
▼コープさっぽろの取り組みはSDGsなことばかり!?『SDGs BOOK』を読んでみよう!
https://coopcycle.sapporo.coop/media/future/future_2828/
北海道で生きることを誇りと喜びに
コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。