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みなさん、SDGsしてますか?

最近よく耳にするようになったSDGs(持続可能な開発目標)。もちろん取り組んでるよ!という方もいると思いますが、まだまだよく分からないという方も、きっとたくさんいらっしゃいますよね。
「いろんな目標があるんだよね?」「地球にやさしくってことでしょ?」となんとなく理解はしていても、実際に行動するとなると難しいもの。

そこで身の回りにあるSDGsな取り組みを知ったり、そもそもどういう行動がSDGsなの?と考えるときにおすすめしたいのが、コープさっぽろが発行している『SDGs BOOK』です!

これはコープさっぽろの取り組みをSDGsの観点からまとめたものですが、掲載されているのは私たちの身近で行われているものばかり。そのため、「自分自身がどんなことをしたらいいのか?」「札幌市や北海道で行われている取り組みってどんなものがあるの?」などを知るヒントにもつながっていくはずです!
ということで今回は、そんな「SDGs BOOK」についてご紹介していきます!

▼コープさっぽろのSDGs BOOKはオンラインで読むことができます。
https://www.sapporo.coop/about/csr/

『SDGs BOOK』とは?

『SDGs BOOK』は、コープさっぽろが年に1回発行している冊子。これを読むと、SDGsに関するコープさっぽろの取り組みが詳しく紹介されています(オンラインで読むことができます)。
以前は「CSRレポート」として発行されていましたが、近年の意識の高まりによって『SDGs BOOK』と名前を変えて発行するようになったそう。

これを読んでびっくりするのが、SDGsに関わる取り組みの多いこと!30以上もの取り組みが紹介されているのですが、コープさっぽろの取り組みすべてがSDGsにつながってるのでは?と思わされてしまうほどです。

こちらが事業の一部をMAPとしてまとめたもの。「人と人をつなぐ事業」「人と未来をつなぐ事業」「人と食をつなぐ事業」と3つに分類して掲載しています。

「CSR情報」「サステナビリティレポート」などとして情報を発信している企業は多くありますが、ここまで行っている事業とSDGsが密接に絡んでいる例はなかなか無いのでは?と思います。
続いては掲載されている取り組みについて、詳しくご紹介したいと思います!

コープさっぽろのSDGsな取り組み

『SDGs BOOK』には地域の食品ロス削減やリサイクル推進、再生可能エネルギーの利用など、具体的なプロジェクトや活動が紹介されています。その中には私たちの身近なところで行われているものもたくさん。例えばコープさっぽろの「店舗での環境活動」もその一つです。

オモテには見えないところで、そんなことを行っていたのか!と思うような、3つの取り組みをご紹介します。

生ごみ処理機の導入:「生ごみ=捨てるモノ」というあたりまえを変えていく

食品を処理加工した際に発生する生ごみ。その80〜90%は水分といわれています。つまり生ごみをそのまま焼却処分することは、水を燃やすみたいなもの!たくさんのエネルギーが必要となって、温室効果ガスも出てしまいます。食品を多く扱うコープさっぽろの生ごみ排出量は年間約3500トンで、1店舗1日あたり平均100kgに相当します。
近年は惣菜需要の高まりもあり、生ごみの排出量はだんだんと増える傾向にあります。また、ごみを回収する自治体側にとっても、人手やコストの負担が増しているという現状がありました。

こうした状況を踏まえてコープさっぽろは、2022年より店舗への生ごみ処理機導入を開始。採用したのは微生物の力を借りて生ごみを分解・微細化し、水として排出する消滅型処理機です。この最大の特徴は残りかすがほぼゼロであること。つまり、生ごみを堆肥化させるのではなく、生ごみそのものを消滅させるシステムなのです。
こうした機械の導入は、経済や環境面でのメリットだけでなく、はたらく人の意識向上につながるきっかけにもなりました。

「再生可能エネルギー100%」の電力へ:店舗で発生する温室効果ガスの削減

コープさっぽろは未来への責任を考えて、事業活動で消費する電力を再生可能エネルギー(自然の力を利用したエネルギー)に切り替えています。
「2040年までに事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーにする」という目標を掲げていて、目標達成に向けて2021年12月から店舗で使用する電気を「再生可能エネルギー100%」由来の電力に順次切り替えています。2022年度時点で、事業全体の使用電力の79%が再生可能エネルギーに切り替わりました。CO2排出量に換算すると年間4万8318トンの削減に当たり、一般家庭1万1342世帯分に相当します。

壊れた魚函(ぎょばこ)を買い物かごに:プラスチック製品をアップサイクル

北海道ぎょれんとコープさっぽろは、 2022年7月に買い物かごを共同開発しました。原料は、漁業者が船内や市場で鮮魚を運ぶときに使うプラスチック製の魚函。破損した魚函は毎年約1万個が廃棄処分されています。その一部をぎょれんが回収して買い物かごに作り替えて再利用することで、 プラスチックごみ削減につなげる取り組みです。 第一弾として買い物かご3000個を生産し、コープさっぽろ全店で組合員さんの「マイかご」用に販売しました。今後も漁業用プラスチック製品をアップサイクルできるように、連携を継続していきます。

ほかにもSDGsなことばかり

店舗での取り組みを知ると、見えないところでそんなことが行われていたのか!と発見につながりますよね。ほかにも私たちの身近な取り組みはたくさんあるので、一部をご紹介します。中にはこれまでコープサイクルで掲載したものもあるので、ぜひそちらの記事もご覧ください!

子育て支援につながる取り組み

・えほんがトドック記事リンク):「ずっと親子のたからもの」になる絵本を無償で8冊プレゼント!
・トドックステーション公式ページ):地域のコミュニティスペース
・ファーストチャイルドボックス公式ページ):ベビー服やおむつのプレゼントで妊婦さんに安心を
・ランドセルカバー贈呈記事リンク):地域の交通事故をなくしたい!

学生さんや教育に関わる取り組み

・スクールランチ記事リンク):給食のない学校に温かい食事を届ける
・大学生育英奨学金記事リンク):返済不要の奨学金で進学を応援
・高校生チャレンジグルメコンテスト記事リンク):食を通して地域や社会を学ぶ

環境保護につながる取り組み

・海のクリーンアップ大作戦!記事リンク):気軽にできる海岸の清掃活動
・コープ未来の森プロジェクト
公式ページ):植樹と育樹で北海道の森を守る
・エコセンターの運用記事リンク):資源循環施設の運用でリサイクルを促進

それぞれの取り組みが、SDGsのどの目標に貢献しているのか?という表も載せておきます。これでもまだ一部!ということに本当に驚きますよね。でも、コープさっぽろはどうしてこんなにSDGsな取り組みを行っているのでしょう?

どうしてこんなにSDGs?担当者さんに聞いてみた

コープさっぽろについて詳しく知るために、『SDGs BOOK』の編集・制作を担当している田村さんにお話を伺いました。田村さん、よろしくお願いします!

 


田村 裕子(たむら・ゆうこ)さん
組織本部 広報部 社会貢献推進グループ マネジャー
2019年入協。社内報『コープなび』の制作担当などを経て、現在はSDGs BOOKの担当に。その他、広報誌『Cho-co-tto』の編集・校正や、「高校生チャレンジグルメコンテスト」の運営などにも携わっている。趣味は猫とたわむれること、庭いじり。最近サウナにもハマっている。

 

―――そもそも『SDGs BOOK』ってどうして作り始めたんですか?

コープさっぽろは2005年から「環境・社会貢献報告書」、2007年からは「CSRレポート」という名称で、情報発信を行ってきました。コープさっぽろは生活協同組合なので、組合員さんのために存在している組織です。だからこそ、どんなことをしているのか?という情報をオープンにすることを大切にしてきたんですね。
その中で近年は世界的にSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みが加速してきました。コープさっぽろも北海道でのSDGs推進を目標にしているので、2021年から『SDGs BOOK』と名称を変えて、取り組みをご紹介しているのです。

 

―――コープさっぽろはどうしてこんなにSDGsに取り組んでいるんですか?

それもやっぱり、コープさっぽろが「生活協同組合」だからです。そのことを少し詳しくお話しますね!
世界ではじめて生活協同組合(コープ)が誕生したのは、19世紀のイギリスです。当時は産業革命の真っ最中で、生活に苦しむ人が多くいました。その中で労働者が作った「自分たちの暮らしを守るために必要なものを共同で調達し、分け合う」という仕組み。これが協同組合の始まりと言われています。
なので一般の企業とは違って「組合員さんによる、組合員さんのための組織」なんです。そういう経緯で、SDGsという言葉が存在する前から、社会貢献につながる取り組みを行っているんですよ。

 

―――『SDGs BOOK』を読んだ方からの反響などはありますか?

「高校生チャレンジグルメコンテスト」に参加している北海道静内農業高校では、全校生徒と全職員に本誌を配布していただきました。生徒がイベントに参加された様子が掲載されているので、どのような取り組みだったのか学内での共有に活用されたそうです。
また読んだ生徒さんからは、「コープさっぽろはスーパーのイメージしかなかったけど、さまざまな社会貢献をしていることに驚いた」「学校のある新ひだか町は海に面しているので、海のクリーンアップ大作戦のように、清掃ボランティアをやったほうがいいと思った」などの声があがっていたとのことでした。

 

―――なるほどです!田村さん自身は『SDGs BOOK』の制作に携わってどんなことを感じましたか?

担当になったのは昨年の2022年からですが、「こんな形で課題解決につながっているんだな」と改めてコープさっぽろの取り組みを俯瞰して見ることができました。
驚きだったのが、今年コープさっぽろに入協してきた方に、「応募を決める前に一番最初に見たのがSDGsBOOKだった」と言われたことです。働く環境として自分に合っているのかを考えるツールとして活用されているんだな、と背筋が伸びる思いになりました。
『SDGs BOOK』を見てコープさっぽろの活動を知っていただきたいのはもちろんなのですが、読んだ方が「自分にできることはなんだろう?」と考えるきっかけにもなったらうれしいです。

生活協同組合はそもそもがSDGs的な組織だった

田村さんのお話を聞いて、大いに納得した編集部一同。
生活協同組合はそもそもが利益を追求するのではなく、仲間たちの幸福や地域社会の発展を重視する組織だったんですね。だからこそ札幌以外も含めた北海道全体を対象に、商品やサービスの提供だけでなく、地域の福祉や文化活動、環境保護などにつながる幅広い活動を行っているというのも納得です。

今回ご紹介してきた『SDGs BOOK』ですが、その中ではコープさっぽろの理事長が対談を行う「特集記事」もあります。2023年の紙面では北海道大学の寶金総長と対談。コープさっぽろや北海道大学がSDGsに取り組む理由、そしてこれからの北海道の未来につながる取り組みについてもお話されています。もしかすると北海道は、世界有数のワイン産地になっていくのかも…?と夢が広がる話題もありますので、詳細はぜひ紙面をご覧ください!

コープさっぽろのSDGs BOOKは、こちらからご覧いただけます。

[SDGs BOOK]

「SDGs」というと「やらなければいけないこと」という義務や責任のイメージもありますが、『SDGs BOOK』を読んで感じるのは、さまざまな取り組みにワクワクがあるということです。
長く取り組みが続き、地域が持続していくためには、そこに関わる人たちが自発的に動いていくことが欠かせません。だからこそ期待を抱いたり、楽しそうだ!と思えることもとても大切なことだと思いました。
コープさっぽろの活動を知るだけでなく、いろいろなヒントが載っている『SDGs BOOK』。ぜひ皆さんもご覧ください!そしてぜひ、自分自身ができるSDGsな取り組みについても考えてみていただけたらうれしいです。

〈関連リンク〉
▼北海道SDGs推進プラットフォーム
https://mybottle-eco.com/about/
▼北海道大学×SDGs
https://sdgs.hokudai.ac.jp/
▼北海道-ワインプラットフォーム
https://terroir-hokkaido.jp/

北海道で生きることを誇りと喜びに

コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。

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