「畑でレストラン」ってなんですか?
みなさんこんにちは!今回はコープさっぽろが主催する、あるイベントのレポートです。参加したのは、その名も「畑でレストラン」。畑?レストラン?BBQでもするんですか??と思ったそこのアナタ…実はこれ、スゴいイベントなのです!
〈畑でレストランとは〉
「コープさっぽろ農業賞」を受賞した生産者さんの畑に、1日限りの「ランチレストラン」を開店。絶景のロケーションの中で、北海道で活躍する人気シェフが畑の採れたて野菜を使い、スペシャルランチコースをご提供します。▼詳しくはこちらの記事もご覧ください。
大自然の中でコース料理!?「畑でレストラン」ってなんですか??
「絶景ロケーション」で「スペシャルランチコース」と聞けば、胸が躍らないはずはありません。。おいしいもの大好きなハラペコ編集部が向かった、一部始終をぜひご覧ください!
会場到着!さっそく受付
札幌から出発した編集部一行。南西へと車を走らせること約2時間。羊蹄山のふもと、真狩村にある「ごとう農園」が今回の会場です。
かわいい看板が目印。
会場に入ると、ウェルカムボードとのぼり!そしてお揃いの衣装を着たスタッフのみなさんがお出迎えしてくれました。
奥の方へ視線をうつすと、ランチ会場となるテントが。「畑でレストラン」の文字通りすぎて、思わず笑ってしまいます。マジで畑のど真ん中じゃないか…!
ウェルカムボードがお出迎え。
畑に設置されたテントがランチ会場。
こんな畑の中で、どうやってレストランを?と疑問に思いますよね。
実は会場にはこんなものもありました!!
キッチンカーもといキッチントラック。
コープさっぽろは、このイベントのためにこんなものを作ってしまったようです。。すごいぞコープさっぽろ。気になる中身はこんな感じです。飲食店の厨房みたい!
今回料理をふるまう堀川シェフ。目が真剣です。
堀川秀樹シェフ/terzina(テルツィーナ)
神奈川県出身。イタリアで修業を積み、鎌倉や札幌のイタリアンを経て、1998年に同店をオープン。いち早く北海道産の食材を生かした“北海道イタリアン”を発信。料理や商品開発を通して、道内各地の隠れた食材の価値を上げることにも貢献し、産地からの信頼が厚い料理人のひとり。最近では「北欧の風 道の駅とうべつ」内の「カフェ テルツィーナ」をプロデュースするほか、若い料理人の育成にも尽力している。
テーブルの上には資料が。
案内されたテーブルには、資料がいくつか置かれていました。
本日の料理が書かれたメニューリスト。ごとう農園さんが定期的に発行されている「ごとう農園だより」。そして、コープさっぽろ広報誌「Cho-co-tto」の先出し記事まで…ワクワクが一層高まりますが、しばし開始まで待機です。
▼「Cho-co-tto」とは
[広報誌「Cho-co-tto」(ちょこっと) TOP | コープさっぽろ]
みなさんも目を通しながら始まりを待ちます。
開始30分前くらいになると、続々とお客さまが集まってきます。我々と同様に、会場を見るなり「えーすごい!」と声を上げて驚く方や、写真を撮る人たちの姿も目立ちました。司会の方から1日の流れなどのアナウンスを受け、イベントはいよいよ「ファームツアー」からスタートです!
後藤さんとファームツアー
畑でレストランは、ランチを楽しむ前に、まずファームツアーから始まります。提供される食材が採れた畑を、生産者さんの話を聞きながら周るという、なんとも贅沢な時間!
畑を目の前にお話を聞きます。
ごとう農園の代表である、後藤進さんが案内をしてくれます。
後藤 進さん/ごとう農園(真狩村)
傾斜地を平らにすることから農業をはじめて32年目。除草剤や殺虫剤は使わず殺菌剤のみを使用し、農薬を慣行栽培の1/2以下に削減。また特別栽培基準でキタアカリを中心にジャガイモを作り、安定的に収穫できるよう、勉強中の日々。奥さんの早苗さんが手書きしている「ごとう農園だより」は今年で21年目。ジャガイモの箱に同封して消費者にお届けしている。第3回コープさっぽろ農業賞奨励賞受賞。
”10回くらい畑でレストランをやりましたが、これまででいちばん天気に恵まれました”という挨拶からスタート。たしかに畑のロケーションが、より一層心地よく感じられます!
ごとう農園は様々な作物を育てられていますが、看板商品はじゃがいも!ここではじゃがいもについてのお話を一部ですがご紹介します!
ごとう農園の看板商品であるじゃがいも。うちでは、きたあかり、とうや、はるかなどの品種を育てています。野菜はおいしく食べられるように品種改良がされますが、男爵いもが生まれたのは今から100年以上前。これだけ同じものを食べ続けているのは、じゃがいもくらいだそうです。
ちなみにみなさんの足元にあるミニトマトみたいなのは、じゃがいもの実です。品種改良をするときは2つの品種を掛け合わせて、できた実から種を取ります。
これはトマトにしか見えない…!
こちらは「きたあかり」という品種です。男爵いもが母親品種になるので、かなり似ています。特徴は中身が黄色くて、芽が赤く、煮崩れしやすいこと。
品種を作った方が言うには、傷が付きやすいので30cm上から落としちゃいけないと。なので収穫する機械も、10cm以下になるよう調整しています。
家庭であえてイモ同士をぶつけることはないと思いますが、衝撃に弱いということはぜひ覚えておいてください。
左手にはイモ。
続いて、緑色の葉がまだ残っているのが「はるか」です。
こちらはメークインのように長ヒョロい形ですが、芽が出づらく、メークインより形が整っています。うちではメークインの生産を5年前に辞めて、はるかに切り替えました。煮崩れしづらいので、そういう品種が好まれる関西の方に売り込んでいます。
裏話をすると、きたあかりとはるかを同じ金額で買っていただいたとしたら、農家が儲かるのははるかの方。まだ葉っぱがあるのは、生育期間が長い=たくさん採れるということ。そして芽が出づらいので、販売期間も長くできるのです。
なので、きたあかりは美味しいですが、はるかも食べてもらえると農家は大変助かります(笑)将来的なじゃがいもの価格を考えるとしたら、たくさん採れる品種もみなさんが食べてもらえると、変わっていくのではないかと思います。
みなさん真剣な表情で聞き入っています…!
最後に、こちらは「サッシー」という品種です。油料理に合うように品種改良されたもので、フランスで生まれました。
丸くて黄色い形で、うちではポテトチップスに加工して販売。塩と米油しか使っておらず、コープさっぽろで「ごとうさん家のポテトチップス」として数量限定ですが販売しています。大手のメーカーさんではおそらく使っていない品種なので、イモの味の違いが分かるかもしれません。
ごとう農園では他にも、スイートコーンやサトウダイコン、アスパラに玉ねぎとたくさんの作物を育てています。じゃがいもは全体の1/4の広さで育てていますが、4年ごとに〈じゃがいも→スイートコーン→サトウダイコン→豆→じゃがいも…〉と育てる土地をローテーションさせながら地力を維持し、病気を防いでいるそうです。
そういえば「輪作」って、社会の授業で習った気がする…!
ここから少し場所を変えて、後藤さんのお話はまだ続きます。
畑の奥に広がる、森へと移動。
ぞろぞろと後藤さんの後ろをついていきます。天気も良いので、歩くだけで気持ちいい。
まさかこんな森まであるとは…
森の方に移動していただきました。ここにはカエデやナラ、シラカバ、ヤナギなどの木が生える、100ヘクタールの森があります。今から35年ほど前、「ごとう農園といえばきたあかり」とようやく認識していただけた頃、私たちは森の手入れを始めました。
50年くらい前まで、木材はお金になりました。でも値段が付かなくなってきて、だんだんと森の手入れをする人がいなくなってしまった。木はたくさんありすぎると、ちゃんと育たず倒れてしまいます。だから私たちは、長く育つカエデ(モミジ)やナラ(ドングリ)の木を残して、他の木を間引くようにしています。
赤い線は、倒していい木の印だそう。
よく自然を残すために「木を植えよう」となりますが、「木を倒そう」という取り組みも大切です。長く育つ木は、短くても100年。長ければ300年ほど生きます。10年、20年で結果は出ませんが、続けていると「手入れしたな」というのは見ればよく分かります。
私が300年先を見据えて森の番手をしていきますので、イモを買うことでそういう取り組みにつながるのだ、と思って選んでいただけたらうれしいです。
まさに森の守り手。
後藤さんがそんな取り組みまでされているなんて…!タメになる野菜のお話と思って参加したファームツアーで、まさか環境保護のことまで聞けるとは思いませんでした。農家さんって、いろんなことを考えてお仕事されているんですね。
ありがたい話が五臓六腑に染み渡ったところで、いよいよランチの始まりです…!
ランチの模様は【後編】で!
畑でレストランinごとう農園【後編】〜お腹も心も満たされる、産地直送すぎるフルコース〜
▼畑でレストランFacebookページ
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https://www.facebook.com/hatake.de.restaurant/