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まちなかでよく見かける緑のトラック。かわいいシロクマの顔が印象的なアレといえば、そう「トドック」です。北海道民にはおなじみのコープさっぽろの宅配サービスは、現在では46万人の方たちが利用しているそう!

北海道の全域に、25,000品目という「標準型のスーパーとドラックストアを合わせたくらい」の商品を届けるこの仕組みも、最初からあったわけではありません。今では当たり前となっているトドックは、いったいなぜ生まれて、どのように広がってきたのでしょう?

今回はそんな「トドックヒストリー」を追いかけながら、コープさっぽろの宅配の歴史を紐解いてみたいと思います! 「トドック、トドック〜♪」とテーマソングを口ずさみつつ、ぜひ最後まで読んでいただけたらうれしいです!

▼トドックの公式ページはこちら
コープさっぽろの宅配システム「トドック」

▼「トドック」プロモーションMovie

トドックの歴史を探りに

トドックの歴史を探ろう!ということで、向かったのは札幌市発寒にあるコープさっぽろ本部。トドックのサービスは、コープさっぽろの「宅配事業本部」が運営しているそう。それなら、と宅配事業本部を統括している佐藤さんにお話をうかがうことにしました。
佐藤さん! トドックの歴史を教えてもらえませんか?

プロフィール

佐藤政宏(さとう・まさひろ)さん

執行役員
宅配事業本部長

佐藤政宏(さとう・まさひろ)さん

執行役員
宅配事業本部長

小樽市出身。青森県の大学卒業後、1994年に生活協同組合コープさっぽろに入協。
配達員も経験し、20年以上も宅配事業に携わっている。好きなトドックの商品は「センターカットうまみ干しホッケ」。

佐藤本部長

トドックの歴史…ですね。うーん。
私が入る前の話もあるので、分かる範囲でになってしまいますが、それでもよければお話ししましょう!

―――ありがとうございます! それでは早速ですけど、トドックっていつできたんですか…?

1981年 「宅配の誕生」

佐藤本部長

トドックの歴史を遡りますと、その始まりは1981年になります。コープさっぽろの前身である「札幌市民生協」が生まれたのが1965年なので、その16年後ですね。
このときに宅配事業がスタートして、最初は「月例協同購入」と呼ばれていました。仕組みも今とはすこし違っていて、その名のとおり「月例=月に一度」「協同購入=みんなでいっしょに買う」というものでした。

―――今から40年以上前なんですね!「みんなで」ということは、一人では買えないということなのでしょうか?

佐藤本部長

当時は3人(世帯)以上でつくる「班」というグループ単位で申し込めるという仕組みになっていました。
日本の生協ではじめて宅配を事業化したのは静岡生協(現ユーコープ)で、1968年のこと。これもまた「協同購入」によるものでした。生協は「つながり」や「支え合い」を大切にしていますから、そうした考えを反映したものだと思います。

購入の仕方は異なりますが、基本的な仕組みは今も変わりません。組合員さんから注文をいただき、商品をまとめて仕入れて、仕分けて配達するという大きな流れはこのときから続いているものですね。

―――なるほど、全体的な仕組みは変わっていないんですね。それにしても、利用するために仲間を見つけるのは大変そうです…。

1997年 「戸別配達の陣」

佐藤本部長

実際のところ当時も、仲間を見つけるのは大変という方がいらっしゃいました。だんだんとそのような声が増える中で1997年にスタートしたのが、「らくらくメイト便」という戸配(戸別配達)。手数料として1回200円(税別)をいただくことで、お一人からでも申し込むことができるという仕組みです。これにはすごく反響がありました。

私は1994年に入協したので、このときはまだまだ新人。経験の浅い時期ながら、戸配が始まってからは毎週のように配達先が増えたので大変でした。人を覚えて、場所を覚えて、当時はシステムもアナログな部分が多かったので苦労したのを覚えています。
ちなみに「生活協同組合コープさっぽろ」に名称が変わったのは2000年なので、この3年後のことになります。

―――ほかにも当時ならではの大変だったことはありますか?

佐藤本部長

スマートフォンはもちろん、パソコンも今ほど普及していなかったので、注文のやり取りは全て紙で行っていました。今はアプリからも注文してもらえるシステムがありますが、当時は注文用紙だけ。どうしても時間がかかってしまうし、ミスも起きやすかったですね。

また現在の配達トラックは1.5トン車ですが、当時はFRの2トン車。雪の日の配達ではすぐ埋まってしまって大変でした。スコップで雪をかきながら、心がめげそうになることも…。
そんなとき支えになったのは組合員さんの存在です。すごく良い方ばかりで、温かい声をかけてくれたり、食べものを持たせてくれたり。中にはお見合い写真までくださった方もいました(笑)。 なかなかこんなふうに「ありがとう」と直接行ってもらえる仕事って多くはないと思います。組合員さんのために頑張らなきゃ、という気持ちが今でも原動力になっていますね。

2006年 「宅配の大合併」

佐藤本部長

この年、ついにトドックが誕生します。戸配も班配達(協同購入)も、一律で1回の配達につきシステム手数料をいただく現在の形に。名称も「コープさっぽろ宅配システム トドック」と変更して、認知度を上げるためにブランディングを進めていきました。
班を基本にする宅配も大事なものでしたが、「3人1組をつくるのが難しい」という声はどんどん増えていました。3人で始めたのに1人が引っ越してしまったとか、苦肉の策として家族3人がそれぞれ組合員になって申込みをする人が出てきたりとか…。

2004年には戸配の方が供給高(売上高)が多くなったこともあり、社会の変化に合わせてシステムも変わっていくべきだと考え、体制を大きくシフトしていきました。

―――トドックになってからは、どのようなことが変わっていったのでしょうか?

佐藤本部長

シロクマのキャラクターが誕生して、トラックやユニフォームも刷新。カタログも「生活週刊」という名前から、「週刊トドック」に変わりました。みなさんの知っている姿になったのが、このタイミングという感じですね。
多くの方にトドックを知ってもらおうと、テレビCMなども制作。今でも残っている「トドックダンス」が生まれたのはこのときです。ちなみにダンスを考えてくれたのはパパイヤ鈴木さんなんですよ。

2018年 「倉庫の改新」

―――近年になってから、なにか大きな変化はあったのでしょうか?

佐藤本部長

小さな変化は毎年のようにあるのですが、大きな出来事でいえば2018年ですね。この年、「オートストア」という物流システムを導入し、これにより取り扱い品目を約4,000品目から25,000品目へと進化させることが可能となりました。

トドックの商品は「江別物流センター」から、大型のトラックで全道各地の宅配センターに運ばれ、そこから配達車両が組合員さんに届ける仕組みになっています。その中心である江別物流センターの商品仕分けを効率化することで、食品だけでなく日用品などの取り扱いも大きく増やすことができるようになりました。
2024年には荒天や災害時のことも考えて、冷凍食品を多くストックできるように冷凍倉庫を新設する計画となっています。

―――災害というと、2018年には胆振東部地震もありましたね。

佐藤本部長

「ブラックアウト」で倉庫も店舗も停電してしまい、大変な影響を受けましたね。当日は信号なども止まってしまいましたが、宅配センターにはその日届ける予定の商品がありました。そこで安全を確保しながら可能なところは、組合員さんへ配達することにしたんです。無事に配達を終えて安心していたところ、翌週にはお礼の手紙が続々届いて、本当にやってよかったと思いました。

きっと毎週違う組合員さんのところに配達していたら、職員みんなが「組合員さんのために」とはならないと思うんです。私も配達していた時そうでしたが、週に1回顔を合わせて会話をするから、なにかあったときは配達先の一人ひとりの組合員さんの顔が頭に浮かぶのだと思います。日頃から深い関わりを持っているからこそ、みんなが使命感を持って配達してくれたんだと思いますね。
実は…あの震災のあとから、トドックの利用者さんがすごく増えたんですよ。買いものに不便を感じた経験が大きいのだと思いますが、職員一人ひとりの行動を組合員さんが見てくれたのかもと思っています。

2024年〜 トドックのこれから

―――2024年は、人手不足などによる「物流危機」が叫ばれている年でもありますが。

佐藤本部長

ありがたいことに、トドックに関しては商品が届けられないという危機にはなっていません。
これまで北海道中に商品を配達するために、効率よく確実にと仕組みの改善を繰り返してきました。それが結果的に、働きやすい職場づくりにもつながってきたかもしれないですね。

デポ(配送センターより小さな拠点)を増やして配達員の移動時間を短くしたり、不在時の対応を必ず聞き取りして再配達をしないシステムを作ったり、トラックへの積み込みをパートさんと分担して行ったり。配達は大変な仕事ですから、少しでも負担や無駄を減らせるような工夫は心がけています。

―――どうしてそんなに改善や変化を繰り返すことができるのでしょうか?

佐藤本部長

職員一人ひとりの「気づき」のおかげですね。
コープさっぽろには、もっとよくできるかもと感じたことを共有する「気づきメモ」や、職場でうまくいったことを報告する「成功事例集」、改善案を考えて発表する「仕事改革発表会」という仕組みがあります。現場で働く目線から生まれた気づきから、全体を良くしていけるようにというものです。

宅配事業本部には1,200人の配達担当者がいますから、私もよく「たった30秒の時短でも、全体でみたら1,200倍の効果になる」と伝えているんですよね。どんな小さな気付きでも共有してもらって、どんどん改善していきたいなと思っています。

トドックは走り続ける

佐藤本部長

ざっと振り返ってみましたが、「トドックの歴史」お分かりいただけたでしょうか?

―――詳しくお話いただき、勉強になりました!形や仕組みを変えながら、ずっと北海道の生活を支えてきたんですね。

佐藤本部長

特に地方に行くと、支えになっているんだと実感することが多いですね。毎年コープさっぽろが配布している「ランドセルカバー」の贈呈式で北海道内を回るのですが、各地の方から「いつもありがとうございます」と感謝をいただきます。たとえ“ポツンと一軒家”みたいなところでも不自由なく買いものできるって、本当に大事なことなんだと思いますね。
これからどんどん人口が減って高齢化が進むと、買いものに困る人はもっと増えてくる。そんな人たちが必要だと思ったときに、これからも頼ってもらえる存在でありたいですね。

―――トドックはこれからもっと、必要になってくるものかもしれませんね。貴重なお話ありがとうございました!

1981年にスタートしたコープさっぽろの宅配。今では「トドック」となって、北海道の暮らしに欠かせない存在になりました。広大な土地と厳しい雪があるこの北海道で、宅配サービスを必要とする人は増え続けるはずです。
組合員さんを見守り、買いものの楽しさを届けるトドック。北海道のために、これからも走り続けてほしいと感じた「トドックヒストリー」でした!

〈関連リンク〉
▼トドックは安全安心も運んでいる!配達担当者の1日に密着してみた
https://coopcycle.sapporo.coop/media/food/food_2388/
▼コープさっぽろの宅配システム「トドック」公式サイト
https://todok.sapporo.coop/
▼コープさっぽろ リクルートサイト
https://www.sapporo.coop/newgraduate/

北海道で生きることを誇りと喜びに

コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。

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