プロジェクト

2024.04.23

今年も開催!「畑でレストラン 2024」生産者さんの畑に一足早くおじゃましました!

▼ 目次

4月に入り、雪解けがあっという間に進んだ北海道。札幌では史上最速で夏日(最高気温25度以上)を観測したりと、今年も夏に向けて暑くなることが予想されているようです。少しずつ気温が高まり、いよいよ緑がまぶしい季節に!そんな中、北海道の気持ちいい空気や自然に囲まれながら楽しめるイベントが、今年も開催することになりました!

そのイベントとは、コープさっぽろの「畑でレストラン」。生産者さんの農場を舞台に、1日限りの限定レストランを開催するというもの。この記事では2024年の概要や、開催に向けて生産者さんが今どのような取り組みをされているかなど、実際に農業体験もしながら取材をしてきました。ぜひ最後までご覧ください!

▼畑でレストラン2024 公式ページ
https://www.sapporo.coop/content/?id=3434

「畑でレストラン」とは?

【畑でレストランとは】
”風を感じながら、楽しもう”をコンセプトに「コープさっぽろ農業賞」を受賞した生産者さんの畑に、1日限りの「ランチレストラン」を開店。絶景のロケーションの中で、北海道で活躍する人気シェフが畑の野菜を使って、スペシャルランチコースをご提供します。ランチの前には、その食材が採れた畑を生産者さんと一緒に歩くファームツアーを実施。北海道農業を支える生産者やシェフの思いを知り、北海道の食の豊かさを感じることができるイベントです。

北海道内の生産者さんの畑を会場に、まるでレストランのように食事を楽しめるのが「畑でレストラン」。生産者さんは「コープさっぽろ農業賞」を受賞している方たちなので、こだわりを持って真摯に農業に取り組んでいたり、ユニークな取り組みをしている方が多いのも特徴です。

2010年からスタートし、コロナ禍でのお休みを挟みながら今年で14年目を迎えるこのイベント。回を重ねる中で、生産者さんも料理人の方たちも、さまざまな工夫を凝らしたおもてなしをされてきました。

私たちも取材で参加させていただく中で、気持ちのいい景色と料理が生み出す素敵な空間を体感してきたのですが、今回お伝えするのは開催前の姿。畑でレストランの会場となる生産者さんたちが、日頃どんな毎日を送って、どんな想いで農業と向き合っているのかについて知りたいと思ったのです。
北海道の春が顔を出し始めた4月の初旬、私たちはある生産者さんの畑に訪問させてもらいました。

アンビシャスファームに訪問!

今回やってきたのは、江別市で“少量多品種“の栽培に力を入れている「アンビシャスファーム」。畑でレストランを過去2回開催しているほか、コープサイクルにも何度か登場いただき、お世話になっている農家さんです。

そして同行してくれたのは、北海道大学の農業サークルである「Agees」のみなさん。実は昨年、畑でレストランのイベント当日にも参加してくれ、体験の様子をレポートしてくれました。

▼コープサイクルの2023年掲載記事
コープさっぽろ「畑でレストラン2023」に北大農業サークルAgeesが潜入!

プロフィール

Ambitious Farm(アンビシャスファーム)

2014年に江別市で設立。「少量多品種」のスタイルで、約100品種の野菜を生産している。5月〜10月の期間は週に一度、直売所で「ふたりのマルシェ」という対面販売も行っており、珍しい野菜なども身近に、親しみやすく手に取れるように販売している。

Ambitious Farm(アンビシャスファーム)

2014年に江別市で設立。「少量多品種」のスタイルで、約100品種の野菜を生産している。5月〜10月の期間は週に一度、直売所で「ふたりのマルシェ」という対面販売も行っており、珍しい野菜なども身近に、親しみやすく手に取れるように販売している。

▼アンビシャスファーム公式ページ
https://ambitious-farm.co.jp/
▼ふたりのマルシェ公式ページ
http://futarino-marche.jp/

プロフィール

北海道大学 Agees(アギーズ)

Ageesは生産者さんの元で作業をお手伝いしながら、農業を学び、体験するサークル。
※左から山田さん、岸本さん、横山さん。

北海道大学 Agees(アギーズ)

Ageesは生産者さんの元で作業をお手伝いしながら、農業を学び、体験するサークル。
※左から山田さん、岸本さん、横山さん。

▼北大部活サークルnavi(Ageesのページ)
https://hubcnavi.net/agees
▼Agees Instagramページ
https://www.instagram.com/agees2023_hokudai/

アンビシャスファームでは、2024年10月6日に畑でレストランを開催!同じく江別市のレストランであるビストロエドナ佐藤シェフとともに、どんな料理を提供してくれるのか今から期待が高まります!
そんなアンビシャスファームの一日の作業を、Ageesと一緒に体験させていただくことにしました。

Ageesと農業体験!

アンビシャスファームの1日は、朝8時の朝礼からスタート。畑の状態などを共有しながら、その日に行う作業を確認します。Ageesの3人も、みなさんに混ざってごあいさつ。今日は一日よろしくお願いします!

雪下にんじんの収穫

本日のメイン作業は、雪下にんじんの収穫!
雪下にんじんとは、その名の通り雪の下で冬を越えてから収穫されるにんじんのこと。凍ってしまわないの?と思うかもしれませんが、雪に覆われた土の中はほど良い温度と水分量が保たれて、まるで天然の冷蔵庫!ゆっくりと熟成が進むことで、甘みや旨味の成分が増えると言われています。

アンビシャスファームでは4種類のにんじんが栽培されているのですが、この日はその内の2種類「京くれない」と「アロマレッド」を収穫できることに。アンビシャスファームでは雪下にんじんが春で一番早く収穫できる野菜です。

作業はまずスコップを使って、土を掘り起こすことから。にんじんを傷つけないように、垂直にスコップを入れるのがコツだそうです。取り出したにんじんは、泥をぬぐって、葉とヒゲの部分をカット。そこまでできたらケースに入れていきます。

土の乾燥が進んでいる畑では、機械(ロータリー)の力も借りながら掘り起こします。それでも土に埋もれたにんじんを掘り起こすのは手作業。ひとつひとつ大きさや形も少しずつ違っていて、自分の手で収穫すると、愛着が湧いてくるのが不思議です。

水分補給の休憩もはさみながら、午前中は黙々と作業。12時になったら、お待ちかねのお昼ごはんです!

お昼休憩

さて、身体を動かしたあとはお待ちかねのお昼ごはん。なんと昼食はアンビシャスファームのみなさんが用意してくれました!
具だくさんのカレーに、手羽元とパープルスティックの唐揚げ、インカのめざめとアロマレッドのかき揚げなどなど、にんじんづくしのランチメニュー!もちろんつやつやのごはんも、アンビシャスファームで収穫されたものです。

アンビシャスファームには20代の方も働いていて、和気あいあいといつも和やかな雰囲気。その秘密はこうした休憩時間にもあるのかも?なんてことを感じました。身体を動かしながら、自分たちの育てた作物をいただく。みんなで食べると、やっぱりおいしい!しっかり栄養補給をしたところで、午後の作業へ向かいます!

にんじんの袋詰め

午後からは、にんじんの袋詰め作業に参加させていただきました。先ほど収穫した雪下にんじんを、出荷できる状態にしていくこの作業。洗浄されたにんじんを袋に入れ、封をして、シールを貼る。この一連の作業を700袋分行っていきます。
慣れない作業にシールが絡まるなど苦戦するAgeesを横目に、アンビシャスファームのみなさんの手さばきの速いこと!あっという間に出来上がっていき、お店に並ぶ商品の姿になっていきます。

先ほど収穫した雪下にんじんが店頭に並ぶまでの過程を知るとともに、みなさんにたくさん手にとってほしいなという気持ちもふつふつと湧いてきます。

「雪下にんじんは手作業が中心になる分、どうしても通常のにんじんより価格が少し高めになるんです」とアンビシャスファーム代表の柏村さんはおっしゃっていましたが、作業の工程を知ったからこそ、その理由にも納得することができました。

リーキの雑草取り

続いて作業させていただいたのは、リーキの雑草取りです。リーキとは西洋ネギのことで、加熱するとトロっとした食感とほのかな甘みがあるのが特徴。日本では生産量が少ないので、まだなじみの薄い食材かもしれません。
種を植えてから2ヶ月ほどたち、葉が伸びてきましたが、その中にはポツポツと雑草の姿が。どうしても土の中に入り込んでいたりして、混ざってしまうものだそうです。

雑草があると成長が妨げられてしまったり害虫が広がる原因になってしまうほか、根が大きくなってからだとリーキごと抜かなければいけなくなってしまうため、今のうちから丁寧に取り除くことが大切とのこと!
ひとつひとつの葉をよく見ながら、手作業で雑草を除いていきます。間違えてリーキの葉をとってしまわないように注意しながら、作業を進めていきました。

実はこのリーキ、収穫の時期が遅いことも特徴のひとつ。アンビシャスファームでは例年10月頃に収穫を迎えるということで、もしかしたら今年の畑でレストランで提供されるかも!?リーキたちが順調に育ってくれることを、楽しみに待ちましょう!

アンビシャスファーム代表の柏村さんにインタビュー

農作業の体験を終えて、最後にアンビシャスファームの代表である柏村さんにお話を伺いました。

―――本日は体験させていただきありがとうございました!今日は雪下にんじんの収穫をさせていただきましたが、これからは苗を植えていく時期になるのでしょうか?

柏村さん

そうですね。育苗ハウスの中では3月頭ぐらいから野菜の種まきは始まっていて、“絶賛成長中”という状況です。ブロッコリーなどの葉菜類は成長が早いので畑さえ準備できれば植えていきたいんですけど、少しまだ雪が残っていまして。今年は雪が少ないと言われていたんですけど、結局は3月に多く降ったり低温が続いた影響があって、例年より1週間ぐらい遅れて畑作りをしています。

―――ハウスの中では、どんな野菜が育っているのでしょうか?

柏村さん

カリフラワーに、ロマネスコ、キャベツ、リーフレタス、セロリ、ミニトマト、ナス、カラーピーマン、ルッコラ、ほうれん草…どこまで言おうか迷っちゃいますが(笑)、店頭で並ぶような野菜はほとんどありますよ。これだけ種類があるので育苗ハウスももういっぱいいっぱい、今がピークという感じですね。

―――今年新しく育て始めた作物などもあるのでしょうか?

柏村さん

品目自体はあまり増えていなくて、品種を違うものに差し替えた野菜はいくつかあります。野菜の種の多くは海外から輸入されてくるのですが、種苗会社の不作の影響で種が手に入らないというものもあって。それでも楽しみにしてくれている人たちのことを考えると、別の品種になったとしてもしっかり提供できるようにしたいと考えました。
あとは昨年厳しい暑さが続いたこともあって、種まきの時期をずらすなど育て方を変えているものもありますね。

―――2023年の猛暑の影響はやはり大きかったのでしょうか?

柏村さん

うちではにんじんを4種類育てているのですが、「金美にんじん」という品種の中のちょうど高温の時期と重なってしまった作では例年の1〜2割しか収穫できませんでした。ブロッコリーも例年は8月から10月末にかけてずっと収穫が続くんですけど、8月以降はほとんど取れていません。

まわりの農家さんに話を聞いても、夏の野菜をやめる方なども出てきています。江別のような地域は「都市近郊型農業」といって、いろいろな種類の作物を作っているのが特徴だったんですけど、人手のかかるものは作れないという状況が増えているようですね。スタッフは足りず、賃金や燃料費は上がって、そこに猛暑ですから厳しい状況なのは確かです。

―――畑でレストランは今回10月に開催されるのですね。

柏村さん

実はここにも暑さの影響がありまして…。アンビシャスファームでは雨天時のことも考えて育苗ハウスの中で開催しているのですが、去年はハウスの中がとても暑くなってしまって(笑)。みなさんのためにも涼しい時期の方が良いのかなと。
それに2年間は夏に開催させてもらったので、また新しいことにチャレンジしたいという気持ちもあって、10月開催にさせてもらいました。

―――毎年さまざまなおもてなしを考えられていますが、今回はどんなことを計画されているのでしょうか?

柏村さん

去年はお客さんと近い距離で触れ合いたいと考え、私たちスタッフ自らが料理をサーブさせてもらいました。野菜のことを質問していただいたり、直接声をかけてもらうことも多くて、本当にやってよかったなと思っています。

今年はいつもアンビシャスファームの野菜を扱ってくださっている、江別の佐藤シェフが料理を担当されるので、より江別のことを好きになってもらえるような1日にできたら。計画はまだまだこれからですが、10月のアンビシャスファームならではの体験を提供したいと考えているので、ぜひ楽しみにしてください!

畑でレストラン 2024年 開催概要

2024年の開催概要は次のとおり!
6月から10月にかけて全10回の開催となりますが、申込み期間は4月22日(月)〜5月12日(日)までなのでご注意ください!

▼畑でレストラン2024 開催概要
日程:6月23日(日)~10月6日(日) 全10回
参加費:8,000円(税込)
定員:各回40名(会場によって前後いたします)

【申込み期間】4月22日(月)~5月12日(日)
【結果発表】5月23日(木)予定
※厳正なる抽選の上、ご当選された方へのみ当選案内の発送をもって代えさせていただきます。
その他詳細は以下の申込みページからご確認ください。

▼申込みページはこちら
https://www.sapporo.coop/content/?id=3434

さらに今年はスペシャル企画も2回開催されます!
1つ目は7月7日に行われる、畑でレストラン初のディナー回!ハスカップファーム山口農園さんと下國伸シェフの組み合わせでスペシャルディナーを提供します。2つ目は9月8日に開催されるコラボスペシャルランチ回。こちらはアド・ワン・ファームさんとアル・ケッチァーノの奥田シェフ、そして北海道三笠高校調理部のみなさんによる、コラボランチが楽しめる回となっています。
詳細は上記の申込みページに記載されていますので、ぜひご注目ください!

畑での取材を終えて

自然あふれる景色の中で、工夫をこらした料理が楽しめる畑でレストラン。収穫された作物を楽しむ特別な1日の裏には、生産者さんの日々の努力があることがわかりました。

猛暑に人手不足、燃料高騰に種不足と、農業を取り巻く環境は、さまざまな変化にさらされています。人の手ではどうにもならない壁にぶつかりながらも、待っている人たちの顔を思い浮かべながら作物と向き合う日々。
店頭に並ぶ商品も、飲食店で提供される一皿も、そのどれもが当たり前にあるものではなく、努力して作る人がいるからこそ味わうことのできるもの。実際に畑での作業を目の当たりにすることで、そのことを深く実感することができました。

今回、取材に協力してくださったアンビシャスファームでは、5月から10月にかけて週に1度、「ふたりのマルシェ」という直売所を開いています。5月26日(日)にはオープニングイベントをアンビシャスファームで農場開催!野菜の収穫体験なども予定されているそうなので、興味のある方はぜひこちらにもご参加くださいね。

▼詳細は「ふたりのマルシェ」のInstagramページをご覧ください。
https://www.instagram.com/futarinomarche/

〈関連リンク〉
▼畑でレストラン2024 公式ページ
https://www.sapporo.coop/content/?id=3434
▼コープさっぽろ「畑でレストラン2023」に北大農業サークルAgeesが潜入!
https://coopcycle.sapporo.coop/media/foodeducation/foodeducation_4144/
▼畑でレストランinごとう農園【前編】〜お腹も心も満たされる、産地直送すぎるフルコース〜
https://coopcycle.sapporo.coop/media/foodeducation/foodeducation_917/

北海道で生きることを誇りと喜びに

コープさっぽろの取り組みは、組合員さんのご利用や参加によって「北海道の暮らしを豊かにすること」につながっています。取り組みは組合員さんならどなたでも参加でき、日常を通して気軽に参加できるものもあります。コープサイクルでたくさんご紹介していきますので、ぜひその他の記事もご覧ください。

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